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マグネシウム金属蓄電池の実現可能性を飛躍的に高める基盤技術の開発に成功

酸素透過を抑制する人工亜鉛被膜によりドライルームで作製可能に

ABC拠点元素戦略チームリーダー万代俊彦(NIMS主任研究員)らは、大気下でのマグネシウム金属負極の電気化学活性の喪失が、マグネシウム・電解液・溶存酸素の三相境界面に生じる超高抵抗に起因することを明らかにしました。さらに、イオン交換反応を利用して酸素透過を抑制する人工亜鉛被膜をマグネシウム金属表面に形成させることで、乾燥した空気中でのマグネシウムの酸化を抑え、不活性化を抑制することに成功しました。
この成果を実用化すれば既存のリチウムイオン電池の生産ラインを、マグネシウム金属蓄電池生産用に転換して利用できるという画期的な基盤技術です。

本研究成果は、英国王立化学会誌「Journal of Materials Chemistry A」にて2023年4月10日にオンラインで先行公開されました。また本成果は5月14日に発刊された雑誌(Vol. 11, Issue 18)の裏表紙を飾っています。

Toshihiko Mandai and Mariko Watanabe
“Oxygen – A fatal Impurity for Reversible Magnesium Deposition/Dissolution”
Journal of Materials Chemistry