先端計測チーム

増田 卓也

チームリーダー/研究開発課題リーダー
増田 卓也
物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究センター 先進蓄電池研究開発拠点 代表研究者補佐/エネルギー・環境材料研究センター 電池材料分野 分野長/エネルギー・環境材料研究センター 蓄電池基盤プラットフォーム プラットフォーム長/エネルギー・環境材料研究センター 電池材料分野 電池材料解析グループ グループリーダー

研究開発課題9:電池先端計測

蓄電池の正極・負極には活物質、導電助剤、結着剤からなる合剤が用いられており、複雑な三次元構造を有しています。活物質/電解質界面では電荷移動反応を伴ってリチウムイオンの脱挿入が起こり(原子・分子)、活物質内ではイオン拡散による格子の再編が生じ(Åからnm)、これに伴う相変化が進行します。

充放電の繰り返しによって、物質輸送のほか、活物質粒子の相変化に伴う膨張収縮・応力集中・塑性変形・亀裂形成といった現象が起こり(nmからμm)、これらがマクロな電池特性に多大な影響を与えます。また、実用志向の電池においては、材料レベルでの性能評価では顕在化しなかった反応分布や温度分布といった不均一現象が現れ、これらが電池の特性に与える影響も無視することはできません。こうした現象は非平衡状態で起こるため、従来の蓄電池研究で使用されてきた解体分析では、メカニズムを的確に把握できないのが現状です。

このような実用レベルの電池で起こる空間・時間的に広範囲にわたる階層反応を解明することによって、高性能な材料の開発・電池構造の設計を加速して、研究課題2-5の次世代蓄電池の社会実装を加速します。