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構造用金属材料のマルチスケール組織解析

Multiscale Microstructure Analysis for Structural Materials

殷 福星 YIN.Fuxing@nims.go.jp

高性能な構造用金属材料を開発する流れの中で、従来と異なる新しい加工プロセスによりマルチスケールな組織制御が重要視されている。結晶粒径分布や集合組織、それに加工残留歪みの粒内分布などの組織因子の定量評価は高性能材料の組織設計において不可欠である。NIMSにおいて、X線回折(XRD)手法と電子後方散乱(EBSD)手法を併用し、マクロな集合組織と共に、異なる集合組織をもつ結晶粒の分布状態や粒界特徴などを統合的に解析するツール、統計的な転位密度と転位性格と共に、個々粒内における歪みの分布状態を解析ツールが構築されている。右図は二種の多方向加工方法で創製した低炭素鋼のXRD集合組織ODF結果とEBSDによる集合組織特徴ある結晶粒の分布状態を解析した結果である。

このような組織解析ツールは材料の加工プロセスを強度などの力学性質に繋がる重要な組織評価手段として、新材料や新加工プロセスの開発に活用されることが期待できる。

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