MTJ(TMR素子)を使った「NIMS」フルカラーLEDデモ機

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この動画は、「NIMS」の各文字をかたどった発光ダイオード(LED)を使い、強磁性トンネル接合(MTJ、TMR素子)のしくみを楽しく体験できるデモ機の紹介です。 デモ機には3つのMTJが並んでおり、磁石によって発生する磁場がそれぞれのMTJに作用することで電気抵抗値が変化します。 各MTJは「I(赤色)」「M(青色)」「S(緑色)」のLEDの明るさと連動しており、磁場の強さや方向に応じて、それぞれの文字の色の明るさが変わります。 「N」の文字には、光の三原色(赤・青・緑)を混ぜることでフルカラー表示を実現しています。赤・青・緑の明るさの変化によって、「N」の色が目まぐるしく移り変わる様子を見ることができます。

このデモ機では、MTJが「磁化平行状態」になると抵抗値が下がり、各色のLEDが明るく光ります。反対に「磁化反平行状態」になると抵抗値が上がり、LEDが暗くなります。 LEDの明るさは「パルス幅変調」という技術を使ってきめ細かく調節しています。これはLEDのオン・オフを一秒間に数百回ほど高速で切り替え、その割合を調整する方法です。 これにより、磁石が生み出す複雑な磁場を色彩豊かなフルカラーとして表現しています。 作製にはマイコンは使わず、オペアンプを使った完全なアナログ回路で製作しています。作製のためのはんだ付け作業には苦労しました。(介川)

使用技術について
このデモ機では、磁性層にコバルト・鉄・ホウ素合金(CoFeB)、バリア層に酸化マグネシウム(MgO)を用いた、CoFeB/MgO/CoFeBの積層構造を持つMTJを採用しています。 MTJ用の薄膜は、こちらの成膜装置 超高真空クラスター成膜装置① を用いて作製しました。 独自技術によって実現したTMR比(抵抗変化率)は350%を超え、このタイプの素子としては世界最高水準です。この大きなTMR比により、安価でシンプルな回路でも感度よく動作するデモ機を作ることができました。 MTJは、2 cm×2 cmサイズの基板上に約2000個形成されています。素子本体のサイズは約10 μm(0.01 mm)と、とても微小で、半導体の微細加工技術を応用して作製されています。 今回のデモ機では、基板を5mm角に切り出し、その中から1つずつMTJを選択し、精密なアルミワイヤーで回路に接続しています。


インデックス

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