超高真空クラスター成膜装置①(自動ロボット搬送)


本装置は、PCによる全自動操作が可能な超高真空チャンバークラスター成膜装置です。ロボット搬送機構によって、準備室から各成膜チャンバーに自動で基板を搬送できます。各チャンバーごとに成膜レシピを作成すると、その設定に基づいて自動薄膜作製が行えます。10元スパッタや同時スパッタに加え、電子線蒸着(EB)、分子線エピタキシー(MBE)による様々な物理的気相成長が可能です。成膜中の基板温度も最大で800℃(MBEチャンバーでは1000℃)まで設定でき、幅広い材料の薄膜作製にも対応しています。
また、反射高速電子線回折(RHEED: Reflection high energy electron diffraction)を用い、薄膜成長中(EB・MBEチャンバー)、や成膜直後(10元スパッタ・同時スパッタ)の試料表面の結晶評価を行うことが可能です。さらに、各チャンバーにはリニアシャッター機構が取り付けられており、膜厚を自動で変調した傾斜膜構造の作製にも対応します。RHEEDとリニアシャッターの併用により、TMR素子など薄膜デバイスの条件最適化を効率的に実施できます。




本装置は以下のプレスリリース論文のTMR素子(FIG. 10)の作製に利用されています。
  • R. R. Sihombing et al., Mater. Today 88, 12-23 (2025). (Open access)
    《プレスリリース》高エントロピー酸化物で低抵抗・高性能TMR素子を実現 ~大容量磁気ストレージでスマート社会を支える新材料~

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