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For Students

現在の研究テーマの例 研究生活に関するQ&A

2024年4月に東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 内田研究室が発足致します。同専攻の大学院生及び工学部応用化学科の学部生を受け入れ可能です。内田研究室の所属学生は、NIMSの充実した研究設備を用いて最先端の物質・材料研究を行うことができます。受験・入室を希望する方は内田までご相談下さい。研究や入試に関することのみならず、実験室見学や雑談などもいつでも歓迎します。

NIMSスピンエネルギーグループはこれまで、筑波大学NIMS連携大学院制度により大学院生を受け入れてきました。筑波大学大学院 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群 スピンカロリトロニクス研究室も当面継続致しますが、上記に伴い2025年度入学以降の筑波大学大学院生の新規受け入れを停止致します。ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

東京大学 内田研究室に配属予定の学生と筑波大学 スピンカロリトロニクス研究室に所属している大学院生は、研究のみならず各種イベントにおいても垣根無く一緒に過ごすことになります。

NIMSスピンエネルギーグループが主な研究対象としている「スピンカロリトロニクス」とは、スピントロニクス物理と熱エネルギー工学の融合領域であり、私たちが2008年に熱流からスピン流が生成される現象であるスピンゼーベック効果を発見したことを契機に、近年急速に発展してきた分野です。当研究室では、最先端の熱輸送・スピン物性計測技術を駆使して、磁性材料やスピントロニクス素子に特有の新奇エネルギー変換原理と、その応用に向けた基盤技術を構築しています。NIMSスピンエネルギーグループは2016年10月に発足した比較的新しい研究室ですが、最新かつ独自性の高い実験設備が揃っています。2022年10月からは大型研究プロジェクトが始まっており、実験設備の拡充をさらに加速させています。研究室内の装置だけでなく、NIMS内の様々な共用設備も利用できますので、研究環境としては世界的に見てもトップレベルに恵まれていると言えるでしょう。

研究室におけるカリキュラムとしては、基礎学力や思考力を養うための勉強会のみならず、新たな研究アイデアを定常的に創出するためのブレインストーミングミーティングや、研究の発信力を高めるためのプレゼンテーショントレーニングも積極的に取り入れます。コアタイムはありませんが、研究室のセミナーや進捗報告会への出席は必須です。自ら研究のスケジュール・進捗管理を行い、自発的に研究することが求められます。研究活動を通じて、博士前期課程の学生には分野を問わず役立つ論理的思考と問題解決能力、博士後期課程の学生にはそれに加えて最先端の知識・技術と世界に通用する研究成果を得てもらいます。博士号取得までには独力で原著論文執筆や国際会議発表、研究提案まで行えるようになることを目指します。研究に必要な語学力とコミュニケーション能力を身に付けるために、大学院生・学部生も積極的に企業や海外機関との連携にも参画してもらいたいと考えています。NIMSには多くの外国人研究者が在籍していますので、英語によるコミュニケーション能力は自然と身に付きます。

当研究室では物理原理・現象の開拓を重視していますが、その応用技術や新規計測法の開発も推進しており、基礎物理・応用物理から材料工学・電子材料分野まで幅広い興味を持つ学生に対して最適な研究環境とテーマを提供可能です。研究に必要な知識や技術は入室後に身に付けることができますので、志願時の専門や知識レベルは問いません。スピンカロリトロニクスはここ10年ほどで急速に発展してきた新興分野であり、学生の皆さんが研究の最前線に立ち、世界に通用する成果を生み出せるチャンスは十分にあります。研究テーマの選定については学生の希望と興味を最優先しますので、スピンカロリトロニクスにこだわらず、全く新しい研究を始めたい方も大歓迎です。実際に、スピンカロリトロニクスではない研究テーマを持っているグループ員も多いです。

現在の研究テーマの例:

【物質・材料科学】
・ハイスループット焼結法に基づく磁気熱電材料・熱スピン変換材料の開発
・熱スイッチング用ナノコンポジット材料の開発
・熱電永久磁石の高性能化に向けた新物質探索・微細組織制御

【物性物理】
・低次元ナノ材料におけるスピンカロリトロニクスの開拓
・マグノンエンジニアリングやスピン流による熱伝導制御
・フェロン輸送現象の観測と解明
・マルチフェロイック物質における磁気熱電効果・熱スピン効果の開拓
・ひずみによる熱電変換の能動的制御

【計測技術開発】
・量子マテリアル計測用ロックインサーモグラフィの開発
・ナノスケール動的熱イメージング計測法の開発
・強磁場中熱電・熱輸送物性計測装置の開発

【熱デバイス工学】
・高出力横型熱電変換モジュールの要素技術開発
・磁気冷凍材料の相界面熱輸送エンジニアリング

他にも、メンバーのアイデアにより随時新しい研究テーマが生まれています。

世界最前線の研究活動に参画したいという意欲のある皆さんと共に研究することを楽しみにしています。

研究生活に関するQ&A:

Q: コアタイムはありますか?
A: ありません。研究室ミーティングなどのイベントを除いて、研究時間は自由です。研究プランと生活スタイルを自ら設計して進めること自体が研究の醍醐味だと思っています。

Q: どのくらいの頻度でミーティングがありますか?
A: グループメンバー全員が集まって行う研究ミーティングを現状、2週間に1回の頻度で行っています。学生主体の勉強会も2週間に1回です。これらの運用は人数が増えたら再検討します。教員との個別ミーティングはいつでもウェルカムです。

Q: 学生でも活躍できますか?
A: 当グループに所属した学生のほぼ全員が、1年以内に論文化可能な成果を得ています。論文執筆に関する教育も充実しています。国際学会参加するチャンスもたくさん得られるでしょう。基本的に全員が異なる独自テーマに取り組むため、学生も主役になれます。

Q: 英語が苦手ですが大丈夫ですか?
A: 研究する上で英語は必須ですが、内田研究室の国際的な環境で過ごせば1年程度で劇的に英語能力が向上します。 NIMSでは多くの外国人研究者が働いているので、ほぼ留学と同様の経験ができます。筑波大修士課程の学生も、留学経験がないにも関わらず、英語での議論・発表に支障がないレベルに上達しています。

Q: 東京から通えますか?
A: 東京23区内からなら、柏キャンパスにもNIMSにも通うことは十分に可能です。電車で本郷三丁目駅 or 根津駅〜つくば駅が約1時間、柏の葉キャンパス駅〜つくば駅が約20分です。スピンエネルギーグループがあるNIMS千現地区はつくば駅から徒歩で約15分で、無料のシャトルバスも出ています。研究に集中するためには柏キャンパスの近くかつくば駅の近くに住むことをお勧めしますが、必須ではありません。つくば駅近郊の家賃は東京よりもはるかに安いです。

[問い合わせ先]

内田健一

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
磁性・スピントロニクス材料研究センター
スピンエネルギーグループ 上席グループリーダー

筑波大学大学院 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群
筑波大学NIMS連携大学院 教授

〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2062
E-mail: UCHIDA.Kenichi_at_nims.go.jp ( _at_ = @ )


contents

Access

〒305-0047
茨城県つくば市千現1-2-1
国立研究開発法人
物質・材料研究機構
磁性・スピントロニクス材料研究センター
スピンエネルギーグループ

Spin Caloritronics Group
Research Center for Magnetic and Spintronic Materials (CMSM)
National Institute for Materials Science (NIMS)
1-2-1 Sengen, Tsukuba, Ibaraki 305-0047, JAPAN


 




ERATO内田磁性熱動体プロジェクト



NIMS NOW 2018 No.4
「ゆらぐスピンの舵をとれ」



NIMS NOW 2019 No.5
「材料科学者になる !
「NIMS大学院プログラム」のすゝめ」



NIMS NOW 2023 No.6
「磁性・スピントロニクス
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磁力が未来を書き換える」