課題1:新規機能性磁性物質探索・材料設計
磁性材料DXの方法論の確立
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)が急速に発展し、成功事例が積み上がる一方で、材料開発に利用できるデータが足りない「スモールデータ問題」が顕在化している。考えうる材料の構造と組成には無限のバリエーションが存在し、広大なマテリアル空間を効率よく調べる材料設計手法が求められている。
本課題では、以下の3つの要素技術を統合した磁性材料DXの方法論の確立を目的とする。
・「富岳」上でのハイスループット計算、高速合成システムや先端計測設備で創出される実験データ、独自のテキストデータマイニングにより、マテリアルデータを大幅に拡充する。
・各手段で得られる多様なマテリアルデータを一元的に管理し、機械学習手法や画像解析手法などの解析を全て一つのプラットフォームで実施できるようにする。
・広範囲に及ぶ高次元のマテリアルデータをデータ科学を用いて解析し、材料設計に有用な情報を抽出する。
対象には、ストレージ材料・メモリ材料・磁気センサー材料・磁石材料・軟磁性材料など磁性材料全般を含め、上記の方法論を適用して磁性材料マップを作成する。ここで得られたデータの一部については、NIMSの計算熱力学データベースとも共有し、状態図の視点からの材料探索・開発に活用する。
