Nano Lettersに論文掲載:カーボンナノチューブにおける単一有機発光中心の決定論的形成

Nano Lettersに論文掲載:カーボンナノチューブにおける単一有機発光中心の決定論的形成

決定論的単一分子修飾法による量子光源作製の模式図と励起PL画像

左図:カーボンナノチューブ上での光化学反応による量子欠陥形成の模式図。右図:実際に形成された量子欠陥の励起PL画像。白い矢印で示された明るい点が量子欠陥(発光中心)の位置を示しています。

私たちの研究論文「カーボンナノチューブにおける単一有機発光中心の決定論的形成」がNano Lettersに掲載されました!

Nano Letters DOI: 10.1021/acs.nanolett.5c02378

量子通信という言葉を聞いたことがありますか?これは、サイバー攻撃が絶対にできない究極のセキュリティ通信技術です。今回、私たちの研究チームが、この量子通信の実現に不可欠な「量子光源」を狙い通りに作る技術を世界で初めて開発しました。

光化学反応をリアルタイムで監視しながら、カーボンナノチューブに量子欠陥が一つだけできる瞬間を捉えて、わずか500ミリ秒で反応を止める技術です。これにより、量子欠陥の数を1個に限定し、位置をサブミクロン精度で制御し、発光波長も調整できるようになりました。成功率は77%で、これまで「運任せ」だった量子材料の作製が、ついに設計可能になったのです。

この技術で作った量子光源は、室温で通信波長の単一光子を確実に放出することが確認されています。これにより、既存の光ファイバー通信インフラをそのまま活用できる量子通信デバイスの開発が加速し、サイバーセキュリティの未来が大きく変わるかもしれません。

この研究は、JSPS科研費、JST ASPIRE、キヤノン財団、三菱財団、村田学術振興財団、およびMEXT ARIM助成金により支援されました。