水素が材料にもたらす“脆化”現象を解明するため、鉄鋼材料の観察が徹底的に行われた。画像は、亀裂の入った鉄鋼材料の3次元形態を再構築したFIB-SEM像である。亀裂は結晶の粒界に沿って走っているが、その中に粒界から逸れている箇所(赤)があることが明らかになった。それらはいずれも、隣り合う結晶の向きが揃っている箇所。水素脆化を防ぐ新たな鉄鋼材料は、結晶組織を巧みにコントロールすることで実現できるかもしれない。水素社会のインフラを支える次世代高強度鋼の開発に向けて、NIMSはその一歩を踏み出している。
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