本センターについて
はじめに
本センターでは、我が国のマテリアル革新力の根幹となる基盤技術である電子・光機能材料の競争力維持と追随を許さない開発力の獲得に向けた研究開発を進めます。
人類の持続的発展の実現のためには、社会システムの変革に向けた材料技術の創出が求められています。社会システムの効率化によるエネルギー消費縮減は持続性への必要条件であることから、革新的な高効率化によってエネルギー消費の削減を実現するための半導体や光学材料の開発を進めます。また、人々の生活に安全や安心を与えるシステムの構築に向け、バイオセンサ、化学センサや赤外線センサなどのセンサ材料の感度や信頼性の向上と、それらの材料の非毒化を推進します。
概要
本センターは、国立研究開発法人物質・材料研究機構の第4期中長期計画期間(2023-2029年度)の開始にともない、2023年4月に発足しました。
上記の通り、現在、日本が抱える、広くは人類が抱える社会課題の解決や人々の豊かな暮らしを支える高性能な機能性材料を開発することを業務としています。
センターには、大きく分けて2つの方向を持って動いています。1つは、国からセンターに与えられた業務の遂行です。これは、センターの設置にあたって構成されたプロジェクトの遂行に加えて、人材育成などを含めたNIMSの基本的な業務となります。ここにタブを作っていますが、連携大学院等の人材育成に関する活動も、NIMSにとっての重要な業務となります
そしてもう一つが、国からの委託事業や補助金事業、あるいは企業との連携研究などの形でセンターやその構成員が自ら進める研究開発です。こちらは、NIMSの人員や設備を活用し、文字通りの研究開発に邁進するものとなります。
できるだけ、多くの方に、本センターの活動をご理解頂き、ご協力頂けるよう、このページを立ち上げました。お時間のあるときにでも、ご覧ください。本センターへの要望やお尋ね、あるいは技術的な相談などございましたら、お気軽にご連絡ください。
研究プロジェクト
本センターでは、本中長期計画期間中に、以下の2つのプロジェクトを推進しています。
詳細は、メニューの「プロジェクト」をご覧下さい。
持続可能社会の実現に向けた
機能性材料の創出
産業革命は蒸気機関の発明から始まったとされています。
外燃機関である蒸気機関、そして、自動車のエンジンに代表される内燃機関の時代を経て、自動車をはじめとする多くの装置がモーターで駆動される時代に入り、エネルギー需要に占める電力の割合がいよいよ高くなろうとしています。
そのため、効率よく電力を供給し、効率よく電力を利用するためには、エネルギー散逸、すなわち、動作中の発熱が小さい電子部品、電子材料の開発が望まれます。また、自動車をはじめ、様々な機器がネットワークと接続され、自動化・自律化されており、安全を担保する技術が必須となります。
そうした中、センシング技術の高度化は必須であり、距離を測る、圧力を測る、ガスを捉える、などの様々なセンサーが必要となってきます。そうした背景から、様々な電子材料に止まらず、化学反応系などの外場と電子回路を接続するための仕組みの獲得など、複合的な状況に対応した材料開発が求められることになります。
そこで、半導体、誘電体、圧電体などのエネルギー変換材料にくわえ、イオン輸送などの化学的知見も加えた総合的な研究開発の推進が求められます。
本センターでは、そうした社会ニーズに応え、新たな電子機能材料を創出することを目的としています。
光材料の創出
光技術は照明やディスプレイ、加工、製造、医療やヘルスケア、農業など、日常生活から産業活動まで、幅広く私たちの生活を支えています。
特長的なのは、多くの分野において技術的な革新をもたらしてきたことです。照明がLEDになり、加工がレーザー加工になるなど、これまでの技術を大きく変えてきました。こうした光技術を実際に役に立つレベルまで引き上げた、その一つの牽引役となってきたのが新しい光材料の誕生であるといえます。
光機能分野では、このような光材料開発を目指しています。
光を利用した技術には多くの将来展望がありますが、社会実装されたものはまだまだ限られています。そのため、放射線レベルから可視光、赤外、テラヘルツ領域まで、ナノサイズからバルクサイズまで、量子光源も含めて、基礎レベルの開拓研究から実用に近いレベルまで、幅広く推進してまいります。