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井上忠信 分野長 (設計・創造分野 塑性加工プロセスグループ) が「2021年日本鉄鋼協会 学術貢献賞(三島賞)」を受賞

2021.04.01
 

2021年日本鉄鋼協会一般表彰の中で、井上忠信(当該拠点 設計・創造分野長)が受賞題目「破壊制御による微細粒鋼の強靭化」として、学術貢献賞(三島賞)を受賞しました。本賞は、(1)磁性金属材料ならびに難加工性金属材料、(2)それらの鋳造、熱処理、加工(溶接、接合を含む)、(3)もしくは鋳造、熱処理、加工技術の各分野において革新的な発明とその企業化、またはこれに結びつく材質上の研究に顕著な業績を挙げた者が対象となります。

【業績】
同氏は、塑性加工による組織制御から材質制御を経て、破壊制御の研究を推進し、材料創成~特性評価~組織解析~数値解析の一貫した研究スタイルを通じて、材料そのものを直ちに破壊させないフェールセーフ機能を有する強靭鋼を実用的な棒圧延プロセスによって創成するとともに、き裂の発生から進展に至る破壊挙動と靭性の関係を基礎的に解明してきました。結晶粒の単なる微細化だけでは必ずしも靭性を飛躍的に向上できないことを指摘し、強靭化には結晶粒の形態(粒径と粒形)と方位を同時に制御することが必要であることを見出しました。これは、「ミクロ組織が持つ弱い面を逆利用して、バルク材の破壊を制御する」という応力遮蔽効果を具現化した画期的な成果である。開発鋼は、強度—靭性バランスだけでなく、強度—絞りバランスにも優れ、塑性加工による組織制御によって所望の温度で強度—靭性バランスを最大にすることも可能である。これらに関する学術的な成果は、内外159編(筆頭64編)の論文で発表し、顕著な業績を挙げています。




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