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江村聡 主幹研究員(構造材料研究拠点 設計・創造分野 振動制御材料グループ)が「2019年度 日本熱処理技術協会 技術賞(粉生賞)」を受賞

2020.06.30
 

江村聡 主幹研究員(構造材料研究拠点 設計・創造分野 振動制御材料グループ)は一般社団法人日本熱処理技術協会より2019年度の技術賞(粉生賞)を授与されました。
同賞は、熱処理設備あるいは熱処理技術の発展、開発、改良に大きな業績を挙げ、将来を嘱望される正会員に与えられる賞です。




【受賞理由】
受賞者は、チタン合金およびチタン系金属間化合物材料中でNbのような元素が不均一に分散する偏析という現象をチタン系材料の金属組織制御に利用する手法を考案した。具体的にはTi2AlNb金属間化合物基材料棒圧延材に生じる渦状のNb偏析組織を利用し、この渦状偏析に沿って第2相(α2相)を不均一に析出させることにより、破壊に至るき裂進展を抑制し破断伸びを大きく向上させた。
さらに偏析を利用した金属組織制御というコンセプトを高耐食β型チタン合金であるTi-Mo系合金にも発展させ、渦状あるいは層状のMoの偏析組織を出現させることで、硬質の第2相(ω相)粒子の不均一析出による局所的な硬さ変化や、Mo量の違いによる局所的な変形様式の変化を導入し、室温強度を失う事なく引張延性が大幅に向上することを見いだした。
その他にも冷間軽圧延によってTi-Mo系合金に生じる変形双晶上に第2相(α相)を析出させることによりα/βの層状構造を出現させるなど、さまざまな形での熱処理によるチタン系材料の金属組織制御に精力的に取り組んでいる。
また理事、編集委員会委員長として日本熱処理技術協会の運営に貢献している。
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