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江村聡主幹研究員(構造材料研究拠点 耐食合金グループ)が「日本鉄鋼協会学術記念賞(白石記念賞)」を受賞

2018.03.29
江村聡主幹研究員(構造材料研究拠点 耐食合金グループ)は、3月19日~21日に千葉工業大学新習志野キャンパスで開催された第175回日本鉄鋼協会春季講演大会において学術記念賞(白石記念賞)を授与されました。
同賞は鉄鋼業の周辺及び境界領域における学術上、技術上の業績により鉄鋼業の進歩発達に多大な貢献をした会員に与えられる賞です。


以下は詳細な業績の紹介となります。

チタン系材料のヘテロ構造制御

受賞者は、チタン系材料の組織制御による特性向上に関する研究に取り組み、従来からの課題であったNbやMoといった合金元素がチタン合金中に不均一に分散する偏析現象をチタン系材料のヘテロ構造制御に利用するという画期的な手法を考案した。具体的にはTi2AlNb基材料の棒圧延材に生じる渦状のNb偏析組織を利用し、第ニ相の不均一析出による破壊き裂進展の抑制によって破断伸びを大きく向上させた。またTi-Mo系合金において渦状あるいは層状のMoの偏析組織を出現させ、硬質の第二相(ω相)粒子の不均一析出による局所的な硬さ変化や、Mo量の違いによる局所的な変形様式の変化によって、室温強度を失う事なく引張延性が大幅に向上することを見いだした。
このような偏析を利用したヘテロ構造制御手法は希少元素に頼らないチタン系材料の特性向上手法として有望であり、元素戦略への多大な貢献が期待できる。
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