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草野正大ポスドク研究員(構造材料研究拠点)が「日本非破壊検査協会 平成28年度秋季講演大会 新進賞」を受賞

2016.11.25
草野正大(構造材料研究拠点 積層スマート材料グループ ポスドク研究員)は、10月6・7日にハーネル仙台で開催された日本非破壊検査協会 平成28年度秋季講演大会において「中赤外レーザ光源による繊維強化プラスチックの超音波振動に影響する諸要因」の発表が優秀な成績を収めたため、新進賞を授与されました。

以下は、詳細な業績の紹介になります。

「中赤外レーザ光源を用いたFRPの超音波試験に関する研究」

繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics, FRP)をレーザ超音波検査(Laser Ultrasonic Testing,LUT)の対象とする場合、超音波発生用のレーザ光源として波長3.2 μmの中赤外光が適しているとされている。そこで、光パラメトリック発振による波長変換に着目し、Nd:YAG固体レーザの基本波(波長1.064 μm)を中赤外光へと変換する結晶素子を創製し、FRPに最も適したLUT装置を開発した。本装置は、FRP内の欠陥・剥離や材料間の接触不良域を非接触・非破壊で検知・評価することができる。
一方で、実用化への課題として、厚みや湾曲のあるサンプルの測定や微小欠陥の検出などが挙げられる。これらに対処するには、中赤外レーザ光源の特性およびFRPサンプルの物性、検出される超音波振動についての関係性を明らかにした上で、装置を最適化すべきである。本研究では、YAG基本波との比較により中赤外レーザ光の優位性を示すとともに、照射レーザのエネルギー密度およびFRPサンプルの物性が、超音波振動に与える影響を実験的に調べた。この結果に基づき、FRPの検査に最適なLUT装置の設計指針を提案した。
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