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張 炳國主席研究員(構造材料研究拠点) が「日本材料科学会 学術賞」を受賞

2016.07.14
張 炳國(構造材料研究拠点 主席研究員)が6月29日に日本材料科学会の学術講演大会で「日本材料科学会 学術賞」を受賞しました。以下は、詳細な業績の紹介になります。

「ガスタービン用耐熱・耐食セラミックスコーティングと熱物性に関する研究」

張氏は、省エネルギー化の観点から高温高効率航空機エンジン、発電用ガスタービンなどの動静翼部材(例:タービンブレード)に使用される耐熱・耐食セラミックスコーティングに関する基礎研究に多大な貢献をしている。
今回、特筆すべき成果は、新規コーティング技術として最近注目を集めている電子ビーム蒸着法(EB-PVD)法により、ZrO2系遮熱コーティングを開発し、それのガスタービンへの適用に寄与したことである。ナノポアを含んだ柱状組織、多層構造、界面構造制御を意図的に作り込んで、熱物性等を向上させた。
また、ナノインデンテーション法によるコーティングの局所領域での機械的物性評価の手法を提案し、その原著論文(J. Alloys and Compounds, 402 (2005) 237)は、独創性を高く評価され、多くの研究者から引用されている。さらに、ZrO2に陽イオン(例:Gd)を溶解させたパイロクロア構造を持つ耐熱・耐食コーティングも開発している。その他、高温耐食性の優れたY2SiO5耐環境皮膜や、日本大学との共同によるAl2O3-HfO2 共晶組織を有する耐環境皮膜の開発などにも成功している。これらの成果は、50件のSCI論文として発表され、いずれも高い評価を得ている。
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