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2025年

理論計算によるホイスラー合金の包括的データベースを創出
〜 格子振動安定性や磁性を含む多面的な物性情報を公開 〜

2025年9月22日(月)

只野央将グループリーダー、Enda Xiaoポスドク研究員からなる研究チームは、スーパーコンピュータ「富岳」などを用いた理論計算で、さまざまな機能性を発現することで注目されているホイスラー合金約28,000種を解析し、磁性・電子構造・格子振動安定性(フォノン安定性)を含む10万件超の物性情報を収録した包括的データベースを構築しました

 従来見落とされていたフォノン安定性を含む多面的な指標で総合評価を行い、室温以上で安定な磁性合金およそ600種を新たに特定し、そのうち47種は高密度記録やスピントロニクス素子として注目される「補償フェリ磁性体」候補であることを明らかにしました。本研究で得られた計算データはウェブ上で一般公開しており、機械学習による新材料探索の加速につながると期待されます。

図: 理論計算によってフォノン安定性・電子状態・磁性・輸送特性を含む 大規模データベースを創出。



本研究成果は、2025年9月15日にActa Materialia誌にて掲載されました。
  • "High-throughput computational screening of Heusler compounds with phonon considerations for enhanced material discovery", E. Xiao, T. Tadano, Acta Mater. 297, 121312 (2025).

お問い合わせ先

只野 央将
NIMS 磁性・スピントロニクス材料研究センター グループリーダー
E-Mail: TADANO.Terumasa=nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] に変えてお送りください)

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