A.R. Dilipan NIMSジュニア研究員、高橋有紀子グループリーダーらはネオジム磁石を構成するネオジム鉄化合物磁気物性値を上回る特性を持つSmFe系新規磁石化合物の合成に成功しました
磁気物性値が高い省レアアース新規磁石化合物の合成に成功
~ネオジム磁石を構成するネオジム鉄化合物磁気物性値を上回る特性を持つSmFe系新規磁石化合物~
A.R. DilipanNIMSジュニア研究員、高橋有紀子グループリーダーらは、ネオジム磁石を構成するネオジム鉄化合物磁気物性値を上回る特性を持つSmFe系新規磁石化合物SmFe8.8N1.1の合成に成功しました。
持続可能な社会の実現のために二酸化炭素排出量の低減が求められています。そのため多くの機器の電動化が進んでおり、駆動モータの高特性化が求められています。
本研究で作製されたSmFe系新規磁石化合物の磁気特性は高温でNd2Fe14Bを凌ぐことから、この化合物で磁石をつくることができれば、サプライチェーンの懸念のあるネオジムやジスプロシウムを使わなくても優れた磁石特性が得られると期待されます。

(プレスリリース中の図: 世界最強の磁石材料とされるNd2Fe14Bを凌ぐ磁気特性、室温で非常に高い異方性磁界、より高い飽和磁化、高いキュリー点を持つことを発見)
本研究成果はActa Materialia誌に 2024年5月10日にオンライン掲載されました。
- Excellent intrinsic magnetic properties in the TbCu7-type Sm-Fe-N compound, A.R. Dilipan, D. Ogawa, H. Sepehri-Amin, P. Tozman, T. Hiroto, K. Hono, Y.K. Takahashi, Acta Mater. 274, 119996 (2024).
お問い合わせ先
- 高橋 有紀子
- NIMS 磁性・スピントロニクス材料研究センター グループリーダー
E-Mail: TAKAHASHI.Yukiko=nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] に変えてお送りください)