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DAY 2
最新材料技術展示会

NIMS研究者による最新成果講演

液体を滑落させる超撥水材料や最先端のセンサなど、様々なNIMSの革新的新材料・技術の最前線を12名の研究者がご紹介します。

講演内容

NIMS最新成果講演1

10:05 - 10:20

(15

吉川 元起

農業・医療応用に向けたAI嗅覚センサによる生体ガス測定

吉川 元起

機能性材料研究拠点 嗅覚センサグループ

AI嗅覚センサ「MSS」の応用展開、特に農業や医療への応用を紹介する。 ヒトを含む動植物や細菌などの生体は、代謝をはじめとした活動により絶えず多種多様な化合物を産生・排出している。このうち、揮発性の化合物は「生体ガス」と呼ばれ、呼気に加え、皮膚・表皮、あるいは尿・唾液・血液などの体液などからも揮発しており、それらを精密に測定することで、生体の状態を迅速・簡便に把握することが可能となる。これら生体ガスに基づいた診断・評価技術について、医療機関や農畜産現場で得られた最新の成果について紹介する。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
バイオ・医療[A1]

NIMS最新成果講演2

10:20 - 10:35

(15

岡本 章玄

海水に混ぜるだけでリチウムを回収できるバイオ無機添加剤

岡本 章玄

国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 電気化学ナノバイオテクノロジーグループ

レアメタルであるLiの資源問題が深刻化している。海水中に含まれる膨大なLiイオンの回収を目指して、Liインターカレーション材料を用いた電気化学的手法が提案されている。しかし、合剤電極の作製等、大スケール化には様々な課題が残っている。本研究では、発電細菌と酸化マンガンを海水に混合するだけで、高選択・効率的にLi回収を実現できることを見出した。発電細菌が自己組織化的に導電助剤とバインダーの役割を果たして、効率的な電気化学反応を実現していると考えられる。コスト的にも大スケール化が容易である本手法は、海水からのLi回収を社会実装可能にする高いポテンシャルを有していると期待できる。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
バイオ・医療[A2]

NIMS最新成果講演3

10:35 - 10:50

(15

西口 昭広

温めて塗るだけで傷を治す医療用接着剤

西口 昭広

機能性材料研究拠点 バイオポリマーグループ

手術後に発生する癒着や出血などの合併症は臨床上大きな課題である。我々は、分子間相互作用を制御することで、加温によって液状になり、体温で硬化する「ホットメルト」特性を導入した接着剤を設計し、温めて塗るだけで手術後の傷を治す医療用接着剤を開発している。本発表では、開発した医療用接着剤の組織接着性・生体適合性・操作性や癒着防止効果について紹介する。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
バイオ・医療[A3]

NIMS最新成果講演4

10:50 - 11:05

(15

天神林 瑞樹

液体が”ツルツル”滑り落ちるフッ素フリー撥水・撥油塗料の開発

天神林 瑞樹

国際ナノアーキテクトニクス研究拠点

撥水・撥油膜は、防汚・防錆・防氷・防曇・抗菌性表面への応用が期待されている。超撥水塗料が実用化しているが、透明性・機械耐久性・撥油性に課題がある。撥水・撥油性の実現のために、フッ素素材が使われることも少なくなく、環境への影響が懸念される。本発表では、液体がツルツル滑り落ちる撥水・撥油性、透明性、機械耐久性を両立した汎用塗料を開発した。本塗料はガラス、アルミ、プラスチック、ゴム、ステンレス基板に浸漬・スプレー・キャストすることで成膜可能である。また、この塗料はフッ素フリーで、水・油・有機溶媒・フッ素液体を傾斜角1度で滑落可能である。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
製造・加工技術[F1]

NIMS最新成果講演5

11:05 - 11:20

(15

北嶋 具教

レーザ3Dプリンタによるニッケル単結晶の造形法開発

北嶋 具教

構造材料研究拠点 積層スマート材料グループ

金属粉末レーザ3Dプリンタにおいて、照射面強度分布が均一でビーム半径が大きい(フラットトップ)レーザを、ニッケル粉末に照射することにより、欠陥が少なく、結晶の方向がそろった単結晶を造形することに成功した。破壊の起点となる結晶粒界をなくした単結晶は高温強度に優れている。本手法は種結晶不要のため製造工程の簡素化の面でも有利である。今回の技術を他の金属や合金の単結晶の造形に応用していくことが可能である。特に、航空機エンジンやガスタービンでは部品形状の複雑化や軽量化が進んでおり、安価で普及率が高いレーザ方式による造形が可能になれば、世界的に単結晶材料の研究・開発が加速する。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
製造・加工技術[F2]

NIMS最新成果講演6

11:20 - 11:35

(15

谷口 貴章

耐腐食ナノシートコーティング

谷口 貴章

国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 機能性ナノマテリアルグループ

高結晶性、化学安定性、耐熱性、柔軟性を有する酸化物ナノシートをステンレス(SUS)上に簡便、低コストな自己組織化法で成膜することで、10 nm膜厚でも優れた防錆効果を発揮することを明らかにした。酸化チタンコーティング膜では、塩水噴霧試験、実装走行試験において著しい防錆効果が確認され、さらには、水素アニール処理を施したCa2Nb3O10ナノシート膜を用いた場合、400℃における耐熱酸化性を付与できることがわかった。電気化学腐食評価から示されたほぼ完全な腐食抑制効果(99.5%) を得るには液相法では10 μm以上の膜厚が必要であり、100 nm以下で同等の腐食抑制効果を得るためには原子層堆積法等の高価な気相法が必要である。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
製造・加工技術[F3]

NIMS最新成果講演7

11:35 - 11:50

(15

源 聡

マテリアルズインテグレーションシステム“MInt”とそのAPI

源 聡

統合型材料開発・情報基盤部門 データ駆動構造材料グループ

金属用MIシステム(MInt)は複雑なソフト・ハード構成からなる。これを安定的にかつ安全に運用するためには、さまざまな計算機・セキュリティ・監視の技術が活用されている。また、MIntで扱うデータはMInt内にとどまらず、外部データベースとの連携・活用が重要である。ここでは、MIntを構成する計算機技術の全体像について記し、またMIntと連携するAPIやデータ連携技術について述べる。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
情報[D1]

NIMS最新成果講演8

12:50 - 13:05

(15

桜庭 裕弥

磁性材料を用いた超低熱抵抗・フレキシブル熱流センサ

桜庭 裕弥

磁性・スピントロニクス材料研究拠点 磁性材料グループ

熱流センサは、熱の方向と大きさを高速検知することで、温度計では検出不可能な熱エネルギーのロスや微小な異常熱の発生等を捉えることができる。しかしながら、ゼーベック効果を用いた従来型の熱流センサは、熱抵抗が大きく、使用することで熱流が阻害されるという致命的な問題を抱えていた。NIMSでは、磁性材料の熱電効果を用いることで、低熱抵抗かつフレキシビリティの高い汎用性に富んだ新規熱流センサの開発を進めている。多くの技術者にまだ馴染みのない熱流センサの利点や使い道を検討頂けるよう、基礎原理から試作センサの動作までを紹介させて頂く。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
デバイス・装置[B1]

NIMS最新成果講演9

13:05 - 13:20

(15

増田 卓也

全固体電池のオペランド電極反応観察

増田 卓也

エネルギー・環境材料研究拠点

安全・安心な酸化物型全固体電池の実現に向けて、高性能材料の開発に加え、界面および電極相における反応の理解と制御を目指した研究が活発に進められている。独自に開発したオペランドX線光電子分光法の紹介を交えつつ、シリコン負極へのリチウム脱挿入挙動を中心とした最新の研究成果を発表する。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
エネルギー・環境[E1]

NIMS最新成果講演10

13:20 - 13:35

(15

万代 俊彦

Mg金属電池用高活性負極材

万代 俊彦

エネルギー・環境材料研究拠点 二次電池材料グループ

Mg金属負極はMg金属電池の心臓部でありながら、加工のしにくさから長年見過ごされてきた要素材料である。本発表では、Mg金属電池電解質開発を専門とする研究者と、構造材料としてのMg合金の開発を専門とする研究者がタッグを組み、世界に先駆けて開発した高活性Mg負極材について報告する。NIMSが世界に誇る金属加工技術を電池材料開発に展開することで、高エネルギー密度のMg金属電池の実現に道筋をつけることに成功した。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
エネルギー・環境[E2]

NIMS最新成果講演11

13:35 - 13:50

(15

神谷 宏治

磁気冷凍による水素液化

神谷 宏治

エネルギー・環境材料研究拠点 液体水素材料研究センター

極低温における能動的蓄冷式磁気冷凍(AMRR)を実現し、このシステムによる水素の液化に成功した。本研究により、磁気冷凍法による実用的な水素液化が実証され、低コストで省エネルギーな水素液化プラントの開発に一歩前進した。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
エネルギー・環境[E3]

NIMS最新成果講演12

13:50 - 14:05

(15

伊藤 海太

簡単・無線・多用途: IoTのAEで製造加工の不良検出

伊藤 海太

統合型材料開発・情報基盤部門 データ駆動構造材料グループ

製造加工プロセスの開発や管理の大きなニーズである「いつ、どこで欠陥が起きるのか」を「簡単に」知るために、無線・バッテリ駆動で試験導入も容易なアコースティック・エミッション(AE)計測装置を開発した。本装置は積層造形・溶射・接合のような高ノイズ環境でも利用でき、プロセス条件の最適化・異常検知・欠陥発生メカニズムの解明に貢献している。


ポスター発表情報(カテゴリ[番号])
材料信頼性[C1]