最新の成果Latest Research Results

2021 Topic3

譯田 真人

構造材料研究センター 材料評価分野
強度物性グループ 主幹研究員
譯田 真人 Masato Wakeda

き裂のような欠陥は金属材料を壊れやすくしますが、多くの微小な欠陥は金属材料の変形を妨げ強度を向上させるという特徴があります。これは意外なことかもしれませんが、この特徴によって強くなった金属材料が社会で広く使われています。さらに強い金属材料を開発するためには、欠陥と強さの関係を理解することが役に立ちます。金属材料の欠陥には様々な種類があり、金属材料の強さに関係する多くの現象はナノスケールで起きています。この研究では、ナノスケールの力学試験、観察、そしてシミュレーションを組み合わせることで、粒界(面状の欠陥)の種類と強さへの寄与の関係、そしてその関係が生じる理由を明らかにしました。

成果図

譯田さんへQ&A

悪いイメージがある「欠陥」が材料の強さを向上させるって?

金属材料の大きな変形は非常に小さな線状の欠陥がたくさん動くことで起きます。この欠陥の運動が他の欠陥によって邪魔されることで金属材料は変形しにくくなります。これが欠陥によって金属材料がより強くなる仕組みです。

欠陥とは目に見えるものなのですか?

大きなき裂のような欠陥は見えることがありますが、金属を強くする小さな欠陥は見えないです。このような欠陥には様々な種類があり、一番小さいものは原子スケールです。特殊な観察装置を使うと見ることができるものもあります。

この成果のポイントは?

ナノスケール領域での材料の強さを調べられる実験装置と、その領域を見ることができる観察装置、そして原子スケールのシミュレーションを組み合わせることで、金属の強さの起源を調べたことにあります。これらの方法がお互いを補いあい、金属の強さの起源に関する誰も知らなかった情報を教えてくれました。

研究活動の中でどういう時にわくわくしますか?

予想しない新しい結果が得られたとき、新しいアィディアを思いついたときです。思いついたアィディアの中で実際に実現できるものは少ないですが、アィディアを考えること自体が楽しいです。あとは新しいシミュレーション手法に取り組むときです。