複雑な形状の金属部品を一体成形できる金属3Dプリンター。これまで、出力された金属部品を高温・高圧環境で長期間使用する場合の強度や耐久性のデータが十分に蓄積されておらず、従来製材法でつくられた材料を大きく上回る性能は想定されてこなかった。そうした中、NIMSは金属3Dプリンティング技術のひとつであるレーザー積層造形法で作製した耐熱鋼が、650℃で約1万時間のクリープ試験において従来材の10倍以上のクリープ寿命をもつことを明らかにした。これは他のレーザー積層造形材料では報告のない極めて特異な例である。 電子顕微鏡で観察すると、クリープに有利な「フェライト相」を主相とする特異なミクロ組織が形成されていることがわかった。局所的に溶かされた金属粉末が超高速で冷えて固まるレーザー積層造形特有のプロセスが、こうした理想的な組織をもたらし、長寿命化が達成されたと考えられる。長時間のクリープ試験設備と評価技術を持つNIMSは、金属3Dプリンター材の強度・耐久性データを整備し、その普及に貢献していく。
時は1970年代。第二次世界大戦で圧倒的勝利を収めたナチス・ドイツの前に、アメリカは風前のともしびとなっていた。この「ナチス・ドイツの勝利」が歴史改変によって生み出されたものだと気づいたアメリカは、再び歴史を修正するため、自らもタイムマシンで極秘部隊《プロテウス》を過去へと送り込む。
★ 田中 秋広(たなか・あきひろ)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)量子特性モデリンググループ 主幹研究員
「量子力学の意味なんて本当は誰も分かっちゃいないんだ」とどこかで聞きかじり、古い論文を渉猟した大学初年次。磁性体の表面に現れるトポロジカルな量子効果の不思議に憑かれ始めた院生時代。あれからもうじき40年、「時代がようやく追いついてきたぜ」とうそぶきたいような、己の不明を嘆きたいようなこの頃です。最近、数学科を舞台にした漫画「数字であそぼ」に登場する院生諸君の悪戦苦闘ぶりに感情移入しています。
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