量子コンピュータは、従来機では膨大な時間がかかる複雑な問題を高速で解く可能性を秘める。その方式は超伝導、半導体、イオントラップなど多岐にわたるが、集積度と小型化で優位なのが半導体方式。中でも酸化亜鉛(ZnO)は、情報損失リスクが低い材料として有望視されている。一方で、ZnOは高品質薄膜の作製が難しく、さらに電極形成過程の微細加工で結晶にダメージが入りやすいため、接触抵抗の低さと結晶健全性の両立に課題を抱えていた。NIMSは「良好接触の電極を形成し、その後にダメージ層を選択的に除去する」という工程設計によりこの問題を解消。世界で初めてZnO量子ドットによる単一電子制御に成功した。半導体方式量子ビットの新たな選択肢が、いま現実味を帯びてきている。
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