まずニオブ箔とアルミ箔を重ね巻きした複合線材を、装置内すべての滑車にかけ渡す。装置を作動させると、線材は供給ドラム(右上)から巻取りドラム(左上)へと毎秒1メートルの高速で巻き替えが始まる。途中にある右下の銅製の滑車とその真下にある液体金属ガリウム(Ga)が入ったプールとの間で直流電流が流れ、線材は一気に2000℃まで加熱される。
![]() 今月の一枚
制振ダンパー
ビルなどが長く横揺れする長周期地震動を軽減するため、建物内に設置される「制振ダンパー」。NIMSは形状記憶合金をベースに開発した新合金を搭載し、高い振動吸収性と耐久性を併せ持つダンパーを世に送り出してきた。近年では鋳造・溶接技術を高めることにより、様々な形状のダンパー開発を進めている。未曽有の大震災から10年——災害に立ち向かうべくNIMSの挑戦は続く。(※写真はせん断パネル型制振ダンパーの改良開発現場の様子) |
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![]() 来たる水素社会に新たな一手!
小さな磁場変化で大きな磁気冷凍効果を生み出す
プレスリリース 2/19
水素社会実現の要とも言える磁気冷凍技術において、小さな磁場変化だけで大きな冷却作用が得られる現象を発見! カギとなったのはホルミウム元素。液体水素の輸送ロス・貯蔵ロスの軽減に期待大!
....and more!
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![]() NIMSが誇る装置をピックアップ!
NIMS装置図鑑
![]() Vol.6
急熱急冷処理装置
~高性能ニオブ・アルミ超伝導線材を生み出すNIMS独自の熱処理マシン~
まるでミシンのボビンに上糸をかけるように、金属線をひとつひとつの滑車に這わせていく。すべてをセットしスイッチを入れた途端、まばゆい閃光が放たれた。 医療用MRIや核融合炉などに欠かせない超伝導線材。現在はニオブ・チタン線材が広く普及しているが、更なる高性能・高機能化を求めてNIMSではニオブ・アルミ線材の研究を世界に先駆けて行ってきた。その開発用にNIMSが独自に編み出したのが「急熱急冷処理装置」。名前の通り、「急速加熱と急速冷却」を連続的に効率よく行える、ニオブ・アルミ線材製造の要となる装置だ。
2000℃は、ニオブとアルミが超伝導体として最も理想的な化学組成を形成する温度だ。わずか0.1秒の加熱後、線材はすぐに液体Gaに浸されて、急速に30℃まで冷却。これにより、2000℃の化学組成で凍結されたニオブ・アルミ合金線材が一瞬にして出来上がる。
常に一歩先の未来を見据えて、NIMSは超伝導線材の最前線をひた走る。 もっと知りたい! 超伝導線材のウラのウラ
★NIMS公式YouTube動画「まてりあるず’s eye」
「世界初の超伝導電線を「飴」で作ってみた!【再編集版】」 ★NIMS NOW Vol.18 no.1 P6-7
【『超伝導材料』の線材化を極める】 ★プレスリリース2006.05.10
【新製法ニオブ・アルミ線材の長尺化と実規模コイル化に成功】 |
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国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)
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