平井孝昌主任研究員、内田健一上席グループリーダーらは東京大学、産業技術総合研究所、大阪大学、東北大学との共同研究により、磁性体中のスピンの集団運動の準粒子「マグノン」の輸送を制御する新しい手法を提案し、強磁性金属中でマグノンが従来考えられていた以上に熱伝導に大きく寄与することを実証しました
2025.10.06

平井孝昌主任研究員、内田健一上席グループリーダーらは東京大学、産業技術総合研究所、大阪大学、東北大学との共同研究により、磁性体中のスピンの集団運動の準粒子「マグノン」の輸送を制御する新しい手法を提案し、強磁性金属中でマグノンが従来考えられていた以上に熱伝導に大きく寄与することを実証しました。
今後は、本成果をもとに、さらなる物理的起源の解明や、マグノン輸送を外場で制御した熱伝導率スイッチなどといったマグノンエンジニアリングに基づいた新たな熱制御技術の創成を目指します。
"Non-Equilibrium Magnon Engineering Enabling Significant Thermal Transport Modulation", T. Hirai, T. Morita, S. Biswas, J. Uzuhashi, T. Yagi, Y. Yamashita, K. Kumar Varun, F. Makino, R. Modak, Y. Sakuraba, T. Ohkubo, R. Guo, B. Xu, J. Shiomi, D. Chiba, and K. Uchida, Adv. Funct. Mater. , 2506554 (2025).
今後は、本成果をもとに、さらなる物理的起源の解明や、マグノン輸送を外場で制御した熱伝導率スイッチなどといったマグノンエンジニアリングに基づいた新たな熱制御技術の創成を目指します。

図: 強磁性金属/磁性絶縁体(a)と強磁性金属/非磁性絶縁体(b)接合におけるマグノンによる熱伝導制御の概念図。マグノンが界面透過できる際には透過できないときに比べて強磁性金属の熱伝導率が上昇、界面熱抵抗が低下する。