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増田啓介主任研究員、三浦良雄招聘研究員らを中心とする研究チームは、磁気メモリ等に応用されるトンネル磁気抵抗(TMR)について、絶縁層の厚さによってTMR比が振動する現象を説明する新たな理論を提案しました

2025.06.18
 増田啓介主任研究員、三浦良雄招聘研究員を中心とし、シャイケ トーマス客員研究員、介川裕章グループリーダー、三谷誠司上席研究員、小塚裕介グループリーダーにより構成される研究チームは、磁気メモリ等に応用されるトンネル磁気抵抗(TMR)について、絶縁層の厚さによってTMR比が振動する現象を説明する新たな理論を提案しました。このTMR振動は、NIMSが近年達成したTMR比の世界最高記録に付随して明瞭に観測される現象であり、その起源の解明は、さらなるTMR比の向上に直結すると期待されます。

  • K. Masuda, T. Scheike, H. Sukegawa, Y. Kozuka, S. Mitani, and Y. Miura, "Theory for tunnel magnetoresistance oscillation", Physical Review B 111, L220406 (2025)
  • 図: (a) TMR振動現象が生じる仕組みの模式図。磁性層と絶縁層の界面における波動関数の重ね合わせが鍵となる。 (b) 理論計算と実験データの比較。計算結果は様々な条件で実験結果とよく一致し、TMR振動現象を再現している。
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