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Research Highlights
[Vol. 84]
銅酸化物高温超伝導体には準粒子プラズマロンが存在しうる
金属物質ではプラズモンと言われる電荷の集団励起が生じる。この基礎概念は、層状構造物質であり、かつ電子間の相関効果が強い銅酸化物高温超伝導体にも当てはまることが最近、分かってきた。
本研究では、プラズモンが銅酸化物高温超伝導体の電子状態にどのような効果を与えるかを調べた。その結果、光学プラズモンによって、プラズマロンという準粒子が生じ新たなバンドが形成されることが分かった。
この起源は、各サイトで電子の二重占有を禁止する強い電子間相互作用にあり、通常の電荷揺らぎではない点が特徴的である。この点を除けば、得られたプラズマロンは、グラフェン、二次元電子系、SrIrO3薄膜で議論されたものと非常に似ており、プラズマロンは金属物質の一般的性質であると言える。
本結果は、金属量子物質でバンド構造を制御する際に重要な知見となるであろう。
山瀬 博之 主幹研究員(量子物質特性グループ)
(2023年「Communications Physics」誌)
本研究では、プラズモンが銅酸化物高温超伝導体の電子状態にどのような効果を与えるかを調べた。その結果、光学プラズモンによって、プラズマロンという準粒子が生じ新たなバンドが形成されることが分かった。
この起源は、各サイトで電子の二重占有を禁止する強い電子間相互作用にあり、通常の電荷揺らぎではない点が特徴的である。この点を除けば、得られたプラズマロンは、グラフェン、二次元電子系、SrIrO3薄膜で議論されたものと非常に似ており、プラズマロンは金属物質の一般的性質であると言える。
本結果は、金属量子物質でバンド構造を制御する際に重要な知見となるであろう。
山瀬 博之 主幹研究員(量子物質特性グループ)
(2023年「Communications Physics」誌)
Reference
“Plasmarons in high-temperature cuprate superconductors”
Hiroyuki Yamase, Matías Bejas, and Andrés Greco
Journal: Communications Physics 6, 168 (July 08, 2023)
DOI : doi.org/10.1038/s42005-023-01276-z
Hiroyuki Yamase, Matías Bejas, and Andrés Greco
Journal: Communications Physics 6, 168 (July 08, 2023)
DOI : doi.org/10.1038/s42005-023-01276-z
Affiliations
国立ロザリオ大学, Av. Pellegrini 250, Rosario, Santa Fe, República Argentina
Contact information
ナノアーキテクトニクス材料研究センター (MANA)
〒305-0044 茨城県つくば市並木1-1
TEL: 029-860-4710
E-mail: mana-pr=ml.nims.go.jp([ = ] → [ @ ] )
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