プログラムの特徴

九州大学-NIMS連携大学院について

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)の研究者が九州大学の教員と共に大学教員として博士後期課程学生指導する「九州大学-NIMS連携大学院」は、平成22年、九州大学大学院 工学府 博士後期課程 物質創造工学専攻 と 材料物性工学専攻 に、「先端ナノ材料工学コース」として発足しました。
(2021年4月からの工学府改編により、本プログラムは 応用化学専攻材料工学専攻に設置されている「先端ナノ材料工学講座」に該当します。)

物質のサイズや形状、組織構造をナノスケールで制御し、従来にない材料(ナノ材料)を創製しようとする研究は、有機や無機、金属など物質科学の全ての学問領域を巻き込みながら、急速に発展しています。ナノ物質には、医学や工学の分野ですぐにでも役に立つものもあります。しかしながら、これらを幅広く社会に普及していくには、ナノ材料としての特性を計測・評価し、その性質を理論的に解明することが不可欠となります。ここでは、最先端の研究設備を利用するだけでなく、必要に応じて装置を開発することも重要となります。また、ナノ材料の物性研究では、従来の理論が通用しないことも多く、工学の基礎をなす学問分野(物理や化学、熱力学など)に立ち返ることも必要となります。即ち、俯瞰力、総合力をもつ研究者を育成することが、ナノ材料工学に対する社会的な要請となっています。このため、工学府物質系博士後期課程の物質創造工学専攻と材料物性工学専攻にまたがって先端ナノ材料工学コースを設置します。このコースに、ナノ材料の創製、計測、物性の3分野を設け、確かな基礎力を養いつつ、応用に向けた幅広い専門性を修得させます。これにより、21世紀を担うナノ材料工学の優れた研究者を育成することを目指します。