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低次元量子材料を舞台としたナノサイエンス・ナノテクノロジー

概要
物質中にある電子は時に驚くべき性質を示し、基礎科学はもちろんのこと、時には応用を通して社会にも大きなインパクトをもたらします。 我々は、低次元量子材料を舞台に「物質創製・デバイス作製・物性探索を縦断的に行う」ことを通して、「物質の新機能を引き出す」・「驚くべき機能をもつ新物質を生み出す」ことを目的に研究を進めています。 対象とする物質系は、二次元物質あるいは原子層とよばれる二次元系を中心としつつも、カーボンナノチューブなどの一次元系、さらにはこれらナノスケール物質を構成要素とする多彩な複合ナノ構造・ヘテロ界面系など多岐にわたります。 研究グループおよびNIMSの優れた研究環境を活かして、化学気相成長法や分子線エピタキシー法を用いた物質創製、電子顕微鏡やプローブ顕微鏡を用いた構造解析、半導体微細加工技術を用いたナノデバイス作製・計測と多彩なアプローチを駆使して、新たなナノサイエンスを切り開くことを目指しています。
新奇量子物質のデザインと創出
実現したい物性・デバイスを念頭に、「どのような構造体をデザインすればよいか?」また「その構造体をどのように実現すればよいか?」を原理に立ち返って考え、実現に必要な方法論を開発しながら新奇ナノ構造の創出を行います。 ここでは、分子線エピタキシーや有機金属化学気相成長法といった先端的な結晶成長法と、マイクロメータースケールの正確さで異物質を重ね合わせるマニピュレーション技術を融合することを通して、多彩なナノマテリアルを原子スケールの正確さで自在につなぎ合わせ・積み重ね、他の方法では実現困難な機能性結晶固体を自在創出することを目指します。
機能・物性の探索・解明から量子技術へ
自ら生み出した新奇量子物質を対象に光・電子物性計測を行い、ナノ構造ならではの機能・物性を見出すことを目指します。 低次元性に由来する特異な電子状態、顕在する多体効果、外場による制御性、をうまく使って他の材料系では実現できない機能を見出していきます。 このために、半導体微細加工技術を用いたデバイス構造の作製、分光およびイメージング計測、電気伝導度計測を様々な外場のもとで行います。 こうした基礎物性解明に加えて、量子技術への貢献も大きな目標としています。二次元物質をはじめとする低次元量子材料は、量子技術に貢献できる大きなポテンシャルを秘めていると考えています。基礎研究で培った知見を活かして、第二次量子革命に貢献できるような量子光源や量子センシングを実現することを目指しています。

研究業績

以下には発表論文の一部を紹介します。
発表論文の一覧は、
  • Google Scholar
  • Researchers ID
  • Research Gate
  • などで見ることができます。

    最近の発表論文(の一部)

    共同研究者

    私の研究成果は、多くの共同研究者との仕事を通して得られています。以下に、これまで共同研究を行った、あるいは現在共同研究が進行中の先生方を列挙しました。

    京都大学の松田一成先生、宮内雄平先生、物質・材料研究機構の谷口尚博士、渡邊賢司博士、 筑波大学の重川秀美先生、吉田昭ニ先生、筑波大学の岡田晋先生、東京理科大学の山本貴博先生、小鍋哲先生、 東北大学の米田忠弘先生、東北大学の菅原克明先生、東北大学の是常隆先生、大阪大学の越野幹人先生、産業技術総合研究所の末永和知博士、学習院大学の齋藤結花先生、 首都大学東京の宮田耕充先生、名古屋大学の大野雄高先生、名古屋大学の竹延大志先生、東京大学の長汐晃輔先生、東京大学の町田友樹先生、 関西大学の日比野浩樹先生、九州大学の吾郷浩樹先生、 東京工業大学の真島豊先生、東康男先生、ウィーン大学のT. Picheler先生、P. Ayala先生、 Oxford大学のJamie Warner先生、Rice大学のA. Kutuna博士、B. Yacobson先生、エジンバラ大学のElenor Campbell先生

    また、これまでに通算で44名(13名の博士後期課程進学者、および27名の修士課程進学者)の学生さんと仕事をしてきました。
    博士後期課程を修了後は、大阪大学、山形大学、東北大学の助教、東京大学、産業技術総合研究所、UC Berkeleyの博士研究員など多くがアカデミックな道に進んでいます。 また、修士課程の卒業生は、東レ、デンソー、日本ガイシ、昭和電工、ブリジストン、リコー、パナソニック、などへ就職しています。
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