DigitalMicrograph (Gatan Inc.)は電子顕微鏡用ソフトウエアとして広く用いられています。電子顕微鏡装置は、日本電子(株)、(株)日立ハイテク、サーモフィッシャーサイエンティフィック(日本エフイー・アイ)などが製品化していますが、それらの多くの製品にGatan社製品がアタッチメントとして付加されDigitalMicrographがインストールされています。異なるメーカーの電子顕微鏡層装置を使っていても、DigitalMicrographに習熟することで、多くの電子顕微鏡データ(TEM像、STEM像、EELSデータ、EDSデータ)を解析することができます。 本ページは私の共同研究者やその他の研究者に対して、DigitalMicrographの実験データから有効な情報を得て、必要に応じて加工することができるように情報提供するものです。 Scriptを含め記載の内容の著作権は木本浩司に属します。
DigitalMicrographはGatan, Inc.により開発された、電子顕微鏡のためのソフトウエアです。
DigitalMicrographはDMと略されたり、Gatan Microscopy Suite (GMS)と呼ばれたりします。
電子顕微鏡装置の制御・計測、データの可視化・データ処理、ドキュメント作成が可能です。
データ解析が可能なだけでなく、装置を制御してデータを取得できる点で、一般的なデータ解析ソフトウエアよりも幅広く活用できます。
Gatan社のweb siteの指示にしたがいメールアドレスを登録することで、フリーで利用することができます。
フリーのライセンスでも、主要な画像処理はほぼすべて行うことができます。
実験データには計測条件などさまざまな情報(メタデータ)がImageTagとして記録されています。ImageTagは参照できるだけでなく、例えば画像処理履歴を残すなど、解析にも利用できます。
Scriptによる自動処理が可能です。
簡単な記述で様々な処理(実験・解析)を自動化できます。DMのscriptの記述はC++に似ていると言われています。GMS 3.4以降からは、pythonも利用できるようになりました。
関連リンク先
DigitalMicrographについて(日本語)
DigitalMicrograph SCRIPTについて(英語)
Excel(Microsoft)やIgor Pro(WaveMetrics)、MATLAB(MathWorks)など様々な市販ソフトウエアでデータ解析は可能です。Public domainソフトウエアとしては、ImageJ(Windows, Mac, Linux)が普及しています: WebSite等の情報が充実しており、画像解析ソフトウエアとしてはde facto standardと言えるかもしれません。
若い研究者から、(Fiji is Just) ImageJであれば、インストールした状態ですぐにDigitalMicrographのデータ(.dm4)が読めると教えていただきました。DigitalMicrographはWindows用のみですので、DMのデータ(*.dm4)を早急に読み出したいMacユーザーにはFijiが便利です。
科学計測分野において、データ解析をPython~例えばAnaconda Spyder~で行うことは一般的になってきました。Pythonでは様々なライブラリ(e.g., Scikit-learn)が日進月歩で開発されており、研究ツールとして魅力的です。なお、DigitalMicrograph上でも(本websiteではPython on DMと記述)を使えばPythonのライブラリを利用できます。
このWeb siteではDigitalMicrgraphでできることのうち、下記の情報を紹介しています。
I. DigitalMicrgraphとは (このページです)
DigitalMicrographの基本情報を説明しています。
II. DigitalMicrographの導入と基本操作
DigitalMicrographの導入と、ソフトウエア画面および基本的な操作を紹介します。
III. データ解析に必要なImage Info
データの入出力方法や、Image Infoで見ることができるメタデータ群について説明します。
実験装置の情報や倍率など様々な情報を取得できます。
IV. IV. DigitalMicrographのScriptの概要
簡単なDM Scriptの使い方を説明します。
V. DigitalMicrographが扱うデータ類
DMが保存している電顕装置の情報やdata種類の分類に関する非公式情報を説明します。
VI. Diffraction解析に使う小さなツール群
電子回折図形の解析に関係する注意事項といくつかのツールを提供します。
VII. DigitalMicrographによる装置制御
カメラなどのGatanの装置や電子顕微鏡本体のコントロールについて紹介します。
VIII. 座標と値
座標と値について戸惑ったことを説明します。
今後の追記予定(未定)
よく使われる画像処理。
実験装置の制御例。
DM上でPythonを利用するときの注意。
著者よりもDMの利用に長けている方による寄稿。
DigitalMicrographは、help fileが充実しています。
F1キーを押すと詳細な情報が得られます。