安心・安全な社会・都市新基盤実現を目指す超鉄鋼研究

(超鉄鋼研究プロジェクト第2期:再生プロジェクト)

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超鉄鋼プロジェクト 第1期の成果と 第2期の展開

    平成9年4月に開始した超鉄鋼プロジェクトは第1期5年の研究を終えました。4種類の「強度2倍、寿命2倍の超鉄鋼材料」を実験室的な規模で創製することができ、また、その「溶接などの構造体化技術の基盤確立」及び「新しいコンセプトに基づく材料、構造物の評価技術の確立」にも画期的な成果を上げることができました。本年度から始まる第2期では、第1期研究で得られたシーズを最も有効に社会に還元できる対象として「都市新基盤の構築に貢献する超鉄鋼材料」と「高効率火力発電プラントの実現に貢献する超鉄鋼材料」を選び、その実現を目指して「強度2倍×寿命2倍のファクター4材料の開発」、「大型材料の創製手法と構造体化技術の開発」を課題に掲げて研究を発展させることを計画しています。さらに、「超鉄鋼材料を有効に利用した革新的構造物の提案」も、新たに設計・構造関係者との連携を指向するなかで行っていきたいと考えております。

    「革新的な構造・設計を可能にする超鉄鋼材料の創製」と「超鉄鋼の優れた機能を生かす新構造・設計の提案」を目指して展開していきます。超鉄鋼研究では、@強度2倍寿命2倍のシーズ技術を生かし、「強度も寿命も2倍とするファクター4の超鉄鋼の創製」と、A「大型サイズあるいは実部品形状の超鉄鋼材料を製造できる創製原理の創出」を目指します。

    具体的には、以下の課題(2つのタスクフォース)を設定し、新構造・設計になる実模擬体の製作から実環境をシミュレートした試験による特性評価を視野に入れて研究を推進していきます。


【サブ・テーマ】

1) 新都市基盤に資する高強度耐食鋼の研究(高強度耐食鋼タスクフォース)

    微細粒化技術を発展させ、高強度で高耐候性を兼ね備えた「ファクター4」超鉄鋼を厚板サイズで創製する課題、1期で開発した超狭開先GMA溶接、大出力パルス変調CO2溶接により構造模擬体を製作する課題、及び現場施工での主流となると想定しているボルト接合に対して耐候性組織での2000MPa 鋼の創製とボルト化の課題に取り組む。新構造の実模擬体を実模擬環境において力学因子と環境因子を総合的に評価するためのシステム開発を目指す。

2) 高効率火力発電用耐熱鋼の研究タスクフォース(耐熱鋼タスクフォース)

    超々臨界圧火力発電プラントの実現に向け、第1期で得られた粒界近傍組織を長時間安定化する材料設計指針に基づき、主蒸気管等の大径厚肉鋼管創製の材料最適化をはかるとともに、溶接HAZ部の薄肉化や細粒部の析出抑制によるタイプWクリープ破壊の抑制、表面保護皮膜による高温水蒸気中の耐酸化性向上をはかり、耐熱鋼構造部材の高強度化と超寿命化を達成する。

3) 指導原理(新たな超鉄鋼材料創製)

    また、この2つの課題(タスクフォース)に加えて第1期超鉄鋼研究で得られた多くのシーズ技術に関し、未解明現象のメカニズム解明と指導原理の確立、及びナノーメゾ-マクロにわたる多階層の解析・評価技術を活用して開発材料を含む材料基礎データを蓄積し、将来の標準化を目指す研究も推進していきます。


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