最新の成果Latest Research Results
2023 Topic2
タンクスさんへQ&A
リグニンバイオマスとは?
木質はセルロース(50%)、ヘミセルロース(20%)およびリグニン(30%)で出来ています。リグニンは水酸基とベンゼン環をたくさん持っている剛直な分子ですが、廃棄物とされることが多いため、付加価値化が必要です。森林総研においてグリコールで修飾したもの「改質リグニン」が開発されて、無水酸変性プラスチックとの親和性が高くて複合材の成形に向いています。
リグニンの強化効果を調べるにはどのような実験を行うのですか?
引張試験は材料組成をバルクで比較する一般的な方法ですが、特定の強化効果は解明できません。動的粘弾性解析(DMA)では高分子鎖の局所的な動きがわかり、ナノインデンテーションではリグニンが繊維近傍におけるPPの剛性への影響がわかります。 このようなマルチスケール解析で、構造材料に向けたバイオマス系複合材料の高性能化に役立ちます。
この材料は、どのような物に実用化させるのに向いていますか?
この混合物は、自動車や飛行機などの構造体の軽量複合材に向いています。特に、繊維強化PPはバンパーやインテリアに使うことを予想しています。また、家庭用品や包装材にも使用できます。優れた物性と成形性の組み合わせにより、社会のさまざまなニーズに応えるような汎用性の高い材料です。
タンクスさんの性格と研究内容はどうマッチしているように思われますか?
合成原料の使用により複合材料の特性は調整しやすい一方、限られたパターンの成分・構造になっている天然原料から構造材料を創るのは困難です。僕は、頑固者で厳しい制約のある課題の解決策を見つけるのが好きなので、型破りな発想と様々な技術の応用を必要とする研究テーマは、自分の性格に合っている気がします。
