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物質・材料研究の『使える!メールマガジン』
vol.146
2024.6.14
酸化ガリウムの微細加工の写真
今月の一枚
酸化ガリウムの幾何学模様
和柄のような幾何学模様。これは次世代パワー半導体として期待される酸化ガリウム(Ga2O3)の表面に施された微細加工だ。一部分を選択的に結晶成長させる「選択成長」の技術で微細加工と結晶成長を同時に達成した。Ga2O3パワー半導体の実用化に向けた研究開発を加速させるNIMSの新しい技術だ。
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HOT TOPICS(NIMSの旬な情報)
 
 
オトナの科学本
『研究不正 -科学者の捏造、改竄、盗用-』
 
HOT TOPICS
NIMSの最新情報をお届け!
NIMS AWARD 2024 受賞者が
幾原雄一氏、Franz J. Giessibl氏に決定 !!
NIMS AWARD 2024年 受賞者決定 幾原雄一氏、Prof. Franz J. Giessibl
プレスリリース06.06 NIMS Award受賞者が幾原雄一氏とFranz J. Giessibl氏に決定
物質・材料に関わる科学技術において優れた業績を残した研究者に贈られる国際賞「NIMS Award」。2024年の受賞者は、「透過電子顕微鏡法の革新による材料界面研究への貢献」の功績により、東京大学の幾原雄一(いくはら ゆういち)特別研究教授、そして「非接触原子間力顕微鏡法の革新によるナノ材料研究への貢献」の功績によりドイツ University of Regensburg (レーゲンスブルク大学) のFranz J. Giessibl(フランツ J. ギーシブル)教授の2名に決定しました。

NIMS Award 2024の授賞式及び受賞記念講演は、11月6日(水)につくば国際会議場において開催する「NIMS Award Symposium 2024」にて行う予定です。
 
DxMT人材育成セミナー開催!
NIMS研究データリポジトリ MDRの紹介と
その利用事例に注目!
田邉浩介 主幹エンジニア

田邉 浩介
技術開発・共用部門
主幹エンジニア

石井真史 主席研究員

石井 真史
マテリアル基盤研究センター
主席研究員

7月1日、NIMSは「DxMT人材育成セミナー」を開催します。
Materials Data Repository(MDR)は、NIMS研究者の研究成果論文、研究データ約16,000件(2024年5月時点)による研究データリポジトリです。本セミナーではMDRのサービス内容や、MDRがどのように研究データの検索や公開に貢献しているかを紹介します。また、MDR XAFS DBを、MDRのメタデータスキーマや機能と整合を取りつつユーザビリティを向上させる、データ駆動に必須の基盤構築の一例として紹介します。

日時:2024年7月1日(月) 14:00-15:30
講師:田邉 浩介、石井 真史
形式:オンライン(Zoom)
参加申込:事前登録はこちら

詳細はこちらからご確認ください。
 
材料開発技術の基礎を無料で学べる!
NIMS Open Facilityユーザースクール参加者募集
NIMSの最先端の研究設備を使って、材料開発技術を基礎から学べる「NIMS Open Facility(NOF) ユーザースクール」を今年も開催!
NIMS共用装置の基礎を学びたい! 操作方法を教えてほしい! 将来エンジニアを目指したい! 普段使っていない装置に触れてみたい! そんなあなたのご要望はNOFにお任せください。
ユーザースクールの様子
材料分析、観察・解析、微細加工、バイオ分析の4分野・全16プログラムを、座学と実習、オンラインを組み合わせ、半日~1日の短期集中で行います。参加費は無料。締切は開催日の2週間前まで。お申し込みの多い講座は抽選となりますので参加登録はお早めに!

詳細はこちらからご確認ください。
 
スタートアップに役立つ情報を提供
情報サイト「マテスタ」オープン!
マテスタHPのトップページ もしあなたが「起業したい!」、「新しい事業を創出したい!」と思った時、何から始めますか?
NIMSが新たに立ち上げたウェブサイト「マテスタ(マテリアルスタートアップ)」は、そんなあなたの起業をサポートする情報サイトです。
◆ 6つの分類でスタートアップに役立つ情報を提供します ◆
20~30年先に特に重要となるであろう社会課題、ボトルネック課題を特定し解説する「マクロトレンド情報」をはじめ、Stageに合った補助金や知見・経験を有する専門家を紹介する「ベンチャー支援情報」。その他にも「インキュベーション拠点」「データ駆動開発情報」「イベント情報」「関連データ・資料」など、スタートアップに役立つ情報を提供します。

今後ますます内容が充実していく予定ですので、ぜひ定期的にチェックをお願いします!

「マテスタ(マテリアルスタートアップ)」
https://matesta.nims.go.jp/
 
....and more!
 
プレスリリース中の図 磁気物性値が高い省レアアース新規磁石化合物の合成に成功
プレスリリース 2024/05/27
 
 
NIMS公式ウェブサイト
 
BOOK
どっぷり浸かるサイエンスの世界
オトナ科学本
本の表紙写真『研究不正 -科学者の捏造、改竄、盗用-』と若山グループリーダー
『研究不正 -科学者の捏造、改竄、盗用-』
黒木登志夫 著/中公新書 発行
 
量子デバイス工学グループ 若山グループリーダーのおススメ!
私からは読んでいてちょっと暗い気持ちになる本を推薦します。研究不正による論文撤回といった残念なニュースは後を絶ちません。その論文撤回の回数が世界一多い国が日本だという事実を皆さんはご存じでしょうか? データを自分の都合のいいように改竄する、ありもしないデータを勝手にねつ造する、人のデータや文章をまるで自分のものであるかのように盗用する。本書ではこういった研究不正行為について42の実例を挙げながら、私たち研究者に警鐘を鳴らしています。魔が差した、プレッシャーに負けた、功名心に駆られたなどなど原因はさまざまです。しかし末路は同じ。研究者として自殺行為だということです。

私自身の研究分野でも20年以上前に世界中を巻き込んだスキャンダルがありました。この事件も本書では取り扱っています。有機材料を使った超伝導の研究で次々と超一流科学誌に論文を発表している若きドイツ人研究者がいました。「この人はすごい成果を連発するな!」と思っていた矢先に、それがすべて捏造だったことが発覚したのです。そのときの騒動を今でもハッキリと記憶しています。繰り返しますが、この本は読んでいて決してワクワクするような本ではありません。しかし人のふり見て我がふり直せです。反面教師としてこの本を一読することをお薦めします!
 
あらすじ

研究者達が犯す不正行為は古くて新しい問題です。本書はその実例を挙げながらも単なる問題提起に終わることなく、科学のあるべき未来を具体的に提言します。

 
- 読書案内人 -

若山 裕(わかやま・ゆたか)

ナノアーキテクトニクス研究センター(MANA)
量子デバイス工学グループ グループリーダー

WPI拠点であるMANAにて有機分子を使ったエレクトロニクス素子の開発に取り組んでいる。ただ他の人よりもいいデータを出そうなんて思ったことはない。ナンバーワンよりオンリーワン。人とはちょっと違った斜め上をいく研究テーマを日夜探っている。
「読書もいつも斜め読み。だから一度読んでもしばらくすると内容はすっかり忘れてしまいます。そのおかげで同じ本でも数年後にまた新鮮な思いで読むことができます。これって非効率的でしょうか???」

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