推進体制

「物理-化学連携による持続的成長に向けた高機能・長寿命材料の探索・制御」課題(「富岳」材料物理化学課題)は、物質・材料研究機構(NIMS)、産業技術総合研究所(産総研)、大阪大学、筑波大学、慶應義塾大学、関西大学、山形大学、東北大学金属材料研究所、東北大学材料科学高等研究所、北海道大学、東京大学の11機関に所属する、我が国の電池・触媒、磁性、高分子、構造材料の4つの材料分野の理論研究を牽引している14名の研究実施者を中心に、97名の連携機関の研究者と連携しながら、「富岳」を利用した計算・データ材料科学研究を推進していきます。この連携機関の中には企業および企業コンソーシアムも数多く含まれ、最先端の計算・データ科学技術の社会実装も進めていきます。また、文部科学省・経済産業省・日本学術振興会・科学技術振興機構の様々な研究プロジェクトとも連携し、我が国のET技術の発展に貢献していきます。

電池・触媒、磁性、高分子、構造材料の4つの材料分野についてサブ課題を立ち上げています。この4つの材料分野の重要な共通点に準安定状態と熱平衡状態があります。いずれの材料分野においても高機能を持つ材料は、異種ドーピングであったり、外場や充電制御であったり、アモルファス化や欠陥導入であったりと、材料の準安定状態を機能の発現に用いています。この高機能準安定状態は外部刺激等がなければ速度論的に保持されるものの、次第に熱平衡状態に向かって変化していき、これは劣化・破壊といった現象として現れます。本研究課題では「準安定と熱平衡」という熱力学的・速度論的視点と「高機能と長寿命」という産業的視点の両者を包括的に取り扱います。また、4つのサブ課題を横断するように計算データと機械学習を橋渡しする数理的手法の開発と応用のAI・データ科学サブ課題を立ち上げています。それにより、4つの材料分野でこれまで用いられてきた計算/AI・データ科学技術について情報交換し、分野連携による新機軸の開拓を計画しています。

課題の方向性は、課題責任者を中心とした実施者会議にて舵取りを行いますが、材料科学に関わる多くの研究者・技術者との意見交換を通して、重要成果の創出を加速して行く予定です。

実施体制図

実施者

館山 佳尚(物質・材料研究機構)
三宅 隆(産業技術総合研究所)
松林 伸幸(大阪大学)
大谷 実(筑波大学)
泰岡 顕治(慶應義塾大学)
藤本 和士(関西大学)
福島 鉄也(産業技術総合研究所)
笠松 秀輔(山形大学)
久保 百司(東北大学金属材料研究所)
新里 秀平(大阪大学)
赤木 和人(東北大学材料科学高等研究所)
中田 彩子(物質・材料研究機構)
小林 正人(北海道大学)
新屋 ひかり(東京大学)

「富岳」材料物理化学課題 事務局

E-mail: fugaku-mpc-office [at] ml.nims.go.jp
[at]は@に変えてください。
ページトップ