我が国の高齢者の人口構成比は30%に迫る勢いで、次世代のヘルスケアを支えるバイオマテリアルの開発がもっとも重要な研究課題の一つとなっています。加えて2020年初頭より世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスの惨禍を通じて、医療技術についてあらためて考える時代になっています。これらの医療技術の中には、“材料”を中心とした医薬・医療機器も含まれており、ヘルスケアを支えるバイオマテリアル研究の重要性を改めて再認識するきっかけとなりました。
NIMSは世界の医療分野あるいはバイオ分野に革命をもたらした3名のバイオマテリアル研究者に2022年度NIMS AWARDを授与いたします。細胞シート工学の創始者の岡野光夫先生、MPCポリマーの開発者の石原一彦先生、細胞テンセグリティモデルの提唱者のDonald E. Ingber先生です。
受賞記念講演ではそれぞれの材料イノベーションがどのように生まれて、それがどのように世界の医療を変えたかについてご発表いただきます。受賞講演に引き続き、バイオマテリアル分野の第一線の研究者に現在の課題と将来展望について最新のバイオマテリアル研究の紹介を交えながら発表していただきます。
講演は専門外の研究者・エンジニア・理工系・医歯薬系の学生、あるいは産業界の方々にもご理解いただけるように依頼しており、すべての講演に日英の同時通訳を行いますのでお気軽にご参加ください。