NIMS最新成果講演

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講演1 11:05~11:20(15分)

「スマートポリマーで拓く未来医療」

荏原 充宏

NIMS 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) ナノシステム分野 スマートポリマーグループ グループリーダー

近年、外部の刺激に応答してその性質をON-OFF変化させるユニークな材料“スマートポリマー”が注目されている。このスマートポリマーを用いることで、低コストで安全かつ効果的な最先端治療法の開発が期待できる。本発表では特に医療応用にフォーカスをあて、その一例を紹介する。

講演2 11:20~11:35(15分)

「消化管がん手術後の炎症を抑える組織接着性粒子の開発」

田口 哲志

NIMS 機能性材料研究拠点 バイオ機能分野 バイオポリマーグループ グループリーダー

食道や胃などの早期消化管がんを内視鏡によって切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は侵襲が低いという長所がある一方、がん切除部の組織が強い炎症を起こし、狭窄が起きるという課題がある。このような臨床上の課題を克服するため、がん切除部に接着し、炎症を抑える組織接着性粒子の設計と機能について紹介する。

講演3 11:35~11:50(15分)

「嗅覚センサMSSと常識を覆す応用展開」

吉川 元起

NIMS 機能性材料研究拠点 センサ・アクチュエータ研究開発センター 嗅覚センサグループ グループリーダー

嗅覚センサ「MSS」に関する最新の成果を紹介します。特に、ポンプやバルブを必要としないフリーハンド測定や、逆転の発想による固体材料のパターン認識など、従来の常識を覆すアプローチについて紹介します。

講演4 11:50~12:05(15分)

「メタマテリアルを利⽤した⾼効率⾚外光源、⾚外検出器」

宮崎 英樹

NIMS 機能性材料研究拠点 光機能分野 プラズモニクスグループ グループリーダー

メタマテリアルとは、光の波⻑よりも⼗分に⼩さな構造を作り込むことにより、⾃然界に存在する材料では実現しえない光学特性を持たせた⼈⼯材料です。この講演では、メタマテリアルを利⽤して実現した、必要な波⻑の⾚外光だけを熱放射する⾼効率⾚外光源、⽔銀やカドミウムを⽤いない⾼効率⾚外検出器を紹介します。

講演5 14:15~14:30(15分)

「タービンディスク⽤Ni-Co基超合⾦の開発と今後の展望」

長田 俊郎

NIMS 構造材料研究拠点 設計・創造分野 超耐熱材料グループ 主幹研究員

タービンディスク⽤Ni基超合⾦の開発は、航空機エンジンや発電⽤ガスタービンの⾼効率化における最重要課題の⼀つであり、世界各国における熾烈な競争下にあります。NIMSは、Ni-Co基超合⾦という新たな設計指針に基づき、世界最⾼レベルの耐⽤温度を有する国産超合⾦の提案に成功している。本講演では、これまでの取り組みに加え、今後の社会実装に向けた最新動向について紹介する。

講演6 14:30~14:45(15分)

「世界最⼤級⾼精度鍛造試験機を⽤いた材料研究の可能性」

御手洗 容子

NIMS 構造材料研究拠点 副拠点長

最⼤荷重1500tで精度の⾼い恒温鍛造ができる鍛造試験機は、鍛造中の塑性加⼯に関する基礎データを得ることができ、組織観察⽤および⼒学特性評価試験⽚が同時に取得でき、鍛造条件、組織、特性を⼀気通貫で結びつけることができる。鍛造試験機の特徴と得られるデータ、さらに材料研究の可能性について紹介する。

講演7 14:45~15:00(15分)

「酸素還元反応促進による新たな腐⾷加速試験」

土井 康太郎

NIMS 構造材料研究拠点 独立研究者

⾦属材料の腐⾷は⾦属の溶解反応(酸化反応)とその際に⽣じた電⼦を消費する酸素還元反応のカップリングにより⽣じる。我々のグループでは、腐⾷を律速する酸素還元反応を促進することで腐⾷を加速させる“⾼酸素腐⾷促進試験法”を開発した。本講演では、特に腐⾷が進⾏しにくいコンクリート内環境における鉄筋の腐⾷挙動検討に⾼酸素腐⾷促進試験法を⽤いた例を紹介する。

講演8 15:15~15:30(15分)

「外部刺激に対して動的応答を示す有機材料」

竹内 正之

NIMS 機能性材料研究拠点 センサ・アクチュエータ研究開発センター 分子機能化学グループ グループリーダー

熱、電気、光、磁場、化学刺激等に応答し形状を変化させる分⼦集合体、ポリマーはソフトアクチュエータへの応⽤が期待されている。本講演では、センサ・アクチュエータ研究開発センターでのアクチュエーティング材料開発に関して、基礎・応⽤研究の取り組みについて紹介する。

講演9 15:30~15:45(15分)

「⼤気に触れると⽣理活性ガスを徐放する固体材料」

石原 伸輔

NIMS 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) ナノマテリアル分野 フロンティア分子グループ 主任研究員

⼤気に含まれる⼆酸化炭素や⽔と反応してガスを⽣成し、ppm濃度で持続的に放出する固体材料を開発した。今回放出に成功した硫化⽔素と⼀酸化窒素は、有⽤な⽣理活性(抗酸化、抗炎症、⾎管拡張など)を有する事が知られている。この固体材料を⽤いたガス発⽣⽅法は安全で簡便であるため、医療⽤途を含めた幅広い応⽤が期待できる。

講演10 15:45~16:00(15分)

「⼆次電池⾼性能化のための、データサイエンスと連携したハイスループット電解液探索システム」

松田 翔一

NIMS エネルギー・環境材料研究拠点 二次電池材料グループ 主任研究員

⾼エネルギー密度・⾼寿命・⾼安全性を両⽴する蓄電デバイスに対する社会的需要は、近年ますます⾼まっています。代表的な蓄電デバイスであるリチウムイオン⼆次電池は、電極活物質や電解液といった数多くの物質から構成される多要素系であり、⽬標とする⾼い電池特性を実現するためには様々な構成要素の最適化が不可⽋です。本講演では、データサイエンスと連携したハイスループット電解液探索システムについて紹介します。

講演11 16:00~16:15(15分)

「材料・デバイスの開発に資する先端計測技術」

増田 卓也

NIMS 先端材料解析研究拠点 極限計測分野 表面化学分析グループ グループリーダー

⼆次電池や燃料電池の電極反応メカニズムを解明するために独⾃に開発した“その場・オペランド計測技術”を紹介する。さらに、個々の材料が最⼤のパフォーマンスを発揮するデバイス構造の探索や製造技術に焦点をあてた計測技術開発の新展開について発表する。