開催ご挨拶

NIMS理事長 潮田 資勝
NIMS理事長
潮田 資勝
(うしおだ すけかつ)

 秋冷の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)の研究成果を、より多くの方々に知っていただくため、平成13年のNIMS設立以来「NIMSフォーラム」を開催しています。お蔭さまで、今回で第12回を数えることとなりました。

 今年度のNIMSフォーラムでは、「新材料研究の最先端:環境・エネルギー・資源問題の打開に向けて」をテーマに、NIMSの「社会ニーズに応える物質・材料研究」の研究成果を広くアピールすること、その成果の普及・技術開発に重点を置き企画しています。

 昨年発生した東日本大震災の後、研究機関や科学者に求められるミッションは、大きく変わってきています。その中で、NIMSは、平成23年4月に第三期中期計画をスタートさせ、プロジェクトや研究組織の再編をはじめ、様々な取り組みを始めています。

 オーラルセッションでは、NIMSの研究部門(環境・エネルギー材料部門、ナノスケール材料部門、先端的共通技術部門、中核機能部門)とセンター(元素戦略材料センター)、国内外の様々な研究機関のハブとなる研究拠点(ナノ材料科学環境拠点、低炭素化材料設計・創製ハブ拠点)についてご紹介します。また、今年度創設された2つの新たな研究拠点(元素戦略磁性材料研究拠点、ナノテクノロジー・プラットフォーム)をご紹介するとともに、産業技術総合研究所、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構とともに活動を進めているつくばイノベーションアリーナTIA-nanoに関し、概要説明を行います。さらに、昨年度のNIMSの主要成果から選出した4件の研究成果について、担当研究者による講演を行います。

 ポスターセッションでは、環境再建材料をはじめNIMS各部門の最新の研究成果、研究拠点事業など64枚のポスターでNIMSならではの研究成果をご紹介します。また、その中から今後の発展が期待される9件の研究テーマについて、担当研究者によるミニ講演を行い、ご来場者と研究者との直接対話による情報交換と、それを通した成果の普及に努めます。さらに、NIMS内の公募から厳選した若手博士研究者(ポスドク研究者)による研究成果7テーマをポスター発表します。 

 平成22年6月に発表された「国民との科学・技術対話の推進(基本取り組み方針)」では、双方向のコミュニケーション活動を「国民との科学・技術対話」と位置付けています。このNIMSフォーラムで世界を先導するNIMSの研究を直接手に取り、NIMS研究者との対話の中から将来の実用化の芽となる、またブレークスルーになり得る可能性を秘めた物質・材料研究に出会っていただければ幸いです。