その“お絵描き”に使用したのがSTM(走査型トンネル顕微鏡)だ。STMは物質表面の原子や電子状態を観察する顕微鏡。試料表面に電圧をかけながら、鋭くとがった金属針を近づけていき、針と表面の距離が1nm以下になると、両者の間で電子が飛び移って電流が流れる(トンネル電流)。
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ウニ殻を使った人工骨
夏にかけて旬を迎えるウニ。その殻の量は年間8,500トンにも上り、廃棄処理が問題となっている。NIMSではウニ殻が持つ多孔質な構造に着目、ヒトの骨の再生を促進する人工骨の開発を進めている。ゴミから命を救う材料へ——科学の視点を加えると、新しい未来が開かれる。 |
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テントウムシの脚裏の接着原理を解明
プレスリリース 2021/6/3
テントウムシの脚裏は、剛毛なのにガラスのような平滑面をすべらずに歩くことができます。それはなぜなのか——40年もの間、ベールに包まれていたこの謎をついに解明! 脚裏の剛毛とガラスの間の「分泌液の厚さ」とテントウムシが歩く時の「牽引力」を測定することで、明らかになった接着の原理とは?
....and more!
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NIMS装置図鑑
![]() Vol.7
STM
~原子ひとつひとつを観察・操作できる! 極小の世界を操る顕微鏡~
開始から約2時間半、いよいよ映し出された妖怪に「かわいい」「すごい」と称賛の声が画面上に次々と沸き起こった。体長約40nm(ナノメートル)、原子で描かれた世界最小の妖怪の誕生だ。 今年のウェブde NIMS一般公開で開催した『極限アトムアートの世界』。銀の基板上に鉄の原子をひとつひとつ並べ、疫病退散で名高い「アマビエ」を表現した。
このトンネル電流が一定に保たれるように、距離を制御しながら針で表面をなぞることで、原子を画像化できる。また、針と表面の距離を適切に調節すると、原子や分子を捉えて動かすことも可能だ。今回のアトムアートは、針を原子に近づけてひとつずつ誘導し、基板の上にドット状に置いて絵を描いた。
もっと知りたい! STMのウラのウラ
★ウェブde一般公開2021 |
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国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)
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