研究成果

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ナノサイズのフレークで、伸縮自在の“ふわふわカプセル ”を作製

-抗がん剤等の放出持続時間を自在に制御-

Qingmin Ji*1、Chunyan Guo*1、Xiaoyan Yu*1、Christopher J. Ochs*2、
Jonathan P. Hill*3、Frank Caruso*2、中沢 弘基*4、有賀 克彦*3
*1 MANA、NIMS *2 メルボルン大学 *3 MANA、NIMS;CREST、JST *4 NIMS

NIMSのMANAの研究グループは、メルボルン大学と共同で無機物のナノメートル厚のフレーク状物体(ナノシート)でできた伸縮自体のカプセルを新たに開発した。さらに抗がん剤などの薬物の放出持続時間を自在に制御し、数倍に延長できることを実証した。

図1 フレーク・シェルの形成
フレークシェルはシリカのナノ粒子が外側から溶解していき、その周囲でナノシートが析出集合していくことで形成される。



図2 従来のポーラスカプセル(多孔体カプセル)とフレークシェルカプセルにおける抗がん剤 DOX の取り込み量(オレンジ)と放出量(青)の比較
取り込み量はカプセルを分散した水溶液に DOX が取り込まれる割合で、放出量はそのうちの何%が4時間後までに放出されたかを示す。フレークシェルカプセルは取り込み量が多く、放出速度が遅いので、薬物放出の持続時間(薬物が患部に送られ続ける時間)が極めて長くなる。