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固体電気化学反応を原子レベルで初めて観察

-イオニクスデバイスの高性能化に不可欠な情報の取得に道-

2012.04.30
(2012.05.01 更新)

Ilia Valov*1、Ina Sapezanskaia*2、Alpana Nayak*3、鶴岡 徹*3、Thomas Bredow*4、
長谷川 剛*3、Georgi Staikov*1、青野 正和*3、Rainer Waser*5
*1 ユーリッヒ研究所 *2 アーヘン工科大学 *3 MANA、NIMS
*4 ボン大学 *5 ユーリッヒ研究所、アーヘン工科大学

NIMSのMANAの研究グループは、ドイツ・アーヘン工科大学、ユーリッヒ研究所、ボン大学の研究グループと共同で、固体電気化学反応における電子の授受とそれに伴う金属イオンの還元・析出反応を原子レベルで観察することに初めて成功した。

反応過程を原子レベルで明らかにした今回の成果は、センサーや燃料電池、触媒など、固体電気化学反応を利用する製品の高効率化に寄与することが期待される。

図1 固体電気化学反応過程。(a)模式図。反応過程は次の5つの領域に分割できる。①固体電気化学反応が起こらない条件(対向電極(上側)に正の電圧を印加)で表面をSTM観察。②負の電圧を印加してイオン伝導体に電子を注入。③一定の時間が経過すると、析出反応が起こる。④析出した原子が対向電極との間に架橋を形成する。⑤原子がさらに析出して架橋が太くなる。(b)観察結果。電極間に印加した電圧(緑)とそれに伴う電流(黒)の時間変化。電流変化から原子の析出量を見積もることが出来る。