フェムト秒パルスレーザーを光源とするポンプ・プローブ法を用いると、超高速時間分解能がない検出器を用いて超高速の現象を検出することができます。
ポンプ・プローブ法は、 短いフラッシュ光と時間分解能の遅いカメラを使うストロボスコープと似ています。 この手法では2つの短いパルス──実験の目的に合わせて(光など)電磁場または(電子など)粒子の──を用います。
ポンプパルスは、わたしたちが調べたいと思う現象を引き起こします。プローブパルスはポンプより遅れて(または早く)到達してその瞬間の現象を切り出し、結果が記録されます。この手順をプローブの到達タイミングをさまざまに変えて繰り返し、結果をタイミング順に並べると、目的とする現象の時間発展を得ることができます。
問題は、プローブがポンプからどれだけの時間遅れて(または早く)到達したかを正確に知る方法です。ポンプとプローブの両方に同じ色(波長)の光を使う場合には、この問題は一つのレーザービームをハーフミラーのようなビームスプリッターで分割することによって、簡単に解決することができます。分割後ポンプとプローブは別々の光路を飛んでいき、標的には(光路長さの差で決まる)別々の時間に到達します。
電気回路を使って1フェムト秒の精度でタイミング同期を制御するのは至難の業ですが、0.3ミクロンの精度の位置決めははるかに簡単なので、この方法で正確なタイミングを決めることができます。(1フェムト秒は0.3光ミクロンであることを思い出してください!)

チタンサファイア発振器 (上). チタンサファイア発振器、再生増幅器、光パラメトリック増幅器 (下).

並進ステージと2つのシリコンPIN検出器を含むポンプ・プローブ測定光学系