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1.溶接部の問題点
2.継手の強度
3.塑性ひずみ分布と破断
4.幾何形状の影響と課題
 これは,WM,HAZ,BMというこのような材料特性を持つ3つの材料が接合されたものに両端から強制変位を与えた場合の相当塑性ひずみ分布であります。
赤い色ほどひずみの集中がある個所です。上から下にいくに従い,徐々に端部を引張た解析結果となっております。
 まず,左図ではHAZとWMの界面端部からshear bandのようにひずみの集中が発生している様子が分かります。さらに引張るとひずみの集中部はさらに広がり,HAZでネッキングが発生している様子も見ることができます。そして最終的にこの部分で破断すると言うことになります。

 右図は,同じ物性値を用いてHAZ厚さを薄くした解析結果を示します。最初は,左図と同様にHAZとWMの界面端部からshear bandが現れ, HAZでネッキングが起きますが,ネッキングは途中で止まります。しかし,端部から引張られるひずみをどこかで負担しなければならず,結局BMにひずみの集中が現れ,BM破断となります。
このときの継手の強度は母材並の強度を持ちます。

 そこで,解析の方からどういう幾何条件,どういう材料の組み合わせの時に母材破断となるかを明確にし,溶接継手設計マップを作ろうとするのがここでの目的です。