研究活動

材料基盤開発チーム

—高性能な磁気冷凍材料の開発—

櫻井 裕也
材料基盤開発チーム チームリーダー
(国立研究開発法人物質・材料研究機構
エネルギー・環境材料研究拠点
液体水素材料研究センター
磁気冷凍材料グループ グループリーダー)
本チームでは、水素液化効率の向上を目指し、より高性能な磁気冷凍材料を探索的に開発しています。豊富な経験に基づく研究者独自のアイデアや着想に加え、最近急速に手法が発達してきたデータ科学的アプローチ(機械学習)を積極的に活用し網羅的かつ効率的な開発を実現しています。
新規材料の開発では膨大な元素の組合せの中から高性能な材料を探すことになります。近年までは良い材料が見つかるかどうかは個々の研究開発者の経験や知識に大きく依存してきました。機械学習を用いると、人間が通常用いるよりも遙かに大量のデータを用いることができます。加えて、結晶構造、元素種などの材料特性を決定する要素間に、今まで研究者が気付かなかったような意外な相関を見つけ出すこともあり得ます。このような機械学習の特徴により革新的な材料の候補を効率的に予測できるようになってきました。一方、予測精度が入力したデータ(教師データ)と機械学習に用いるモデルに強く依存するため、機械学習は教師データの枠を超えた予測が不得意です。すなわち、人間の直感的判断、物理法則に基づく理解、セレンディピティを取り込みその枠を広げていくことが欠かせません。我々は革新的な材料開発に必要なこれらの研究要素を常に改善しつつ強力に材料開発を行っています。

またいくつかの企業と連携し既存候補材料の改質や形状制御も行っています。
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