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物質・材料研究の『使える!メールマガジン』
vol.137
2023.6.14
さびの写真
今月の一枚
さびのスパイス
色とりどりのスパイスのような物質——実はすべて「さび」。鉄がさびによってもろくなる「腐食」は、湿気の多い今の季節には特に進行が早まり、インフラや建造物の老朽化に拍車をかける。NIMSでは、環境と腐食の関係をモデル化するAIや、さびの生成を意図的に加速させてそのメカニズムを探るなど、最新技術を駆使しながら、腐食を食い止めるための様々な研究を行っている。
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★NIMS NOW(Vol.19 No.6)“さび”大研究
—人工知能から細菌まで—
★腐食研究グループHP
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HOT TOPICS(NIMSの旬な情報)
 
NIMS装置図鑑 Vol.10
「自動単結晶X線回折(XRD)装置」
 
U-35 ~材料研究の未来を拓く若者たち~
『File2 平井 孝昌』
 
HOT TOPICS
NIMSの最新情報をお届け!
マグネシウム金属電池の人工被膜の写真
人工被膜で不活性化を抑制!
マグネシウム金属電池の実用化に前進!
プレスリリース 5/16
リチウムイオン電池を凌駕する高エネルギー密度が見込めるマグネシウム金属電池。未来の大規模蓄電池として期待されていますが、マグネシウムは酸素や水分に触れると不活性化してしまうため、電池の生産には特殊な設備が必要で、その維持には莫大なコストがかかります。そこでNIMSは、この不活性化の原因を明らかにし、マグネシウムを覆う人工保護被膜を開発、不活性化を防ぐことに成功しました。これにより、既存のリチウムイオン電池の生産ラインでマグネシウム金属電池の製造が可能に。低コスト化に貢献し、実装へと導く新技術です!
NIMS NOWの表紙写真 材料こそが限界突破の要!
NIMS NOW最新号は
中長期計画スタート号

材料研究とは、常に限界との対峙です。発電量の限界、耐久性の限界、冷却温度の限界、分解能の限界——あらゆる限界の突破を掲げ、今年、NIMSの第5期中長期計画がスタートしました。NIMS NOW最新号ではその全容をお届けします。材料が限界を打ち破るとき、社会が、未来が動き出す!

DXMTのロゴ写真 データ駆動型材料開発の最先端を
無料で学べる!
DxMT人材育成セミナー開催

データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト (DxMT)では 、データ駆動型材料開発に必要な計算手法などの紹介と解説を行う無料の人材育成セミナーを開催します! 今年度第2回は6/15(木)14:00~、第3回は6/28(水)14:00~、それぞれオンラインで受講可能(各回ともに要事前予約。第3回の詳細は決定次第HPに公開予定)。ご参加をお待ちしております!

 
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SIPのロゴ 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題の研究推進および新規公募の開始
プレスリリース 5/22
 
「NIMS-Western Digital ストレージフロンティアセンター」調印式の写真 NIMSとウエスタンデジタル、「NIMS-Western Digital ストレージフロンティアセンター」の設置に関する覚書を締結
プレスリリース 5/31
 
3種類のポルフィリン分子のAFM像とTEM像 分子の自己集合プロセスを多段階で制御することに成功
プレスリリース 6/2
 
ハニカム構造のフォトニック結晶の写真 ハニカム構造のフォトニック結晶が起こす光渦の不思議な反転現象
プレスリリース 6/2
 
 
NIMS公式ウェブサイト
 
DEVICE
NIMSが誇る装置をピックアップ!
NIMS装置図鑑
自動単結晶X線回折(XRD)装置の写真
Vol.10
自動単結晶X線回折(XRD)装置
~次世代の蛍光体を探せ! 有望な新蛍光体を高速で探索する装置~
 
白い箱の中で整然と動くロボットアーム。左端のホルダーから試料を掴み取り、中央の試料ステージまで正確にアプローチして、測定が終了したらまた次の試料へと、淡々と解析を繰り返していく。単純だが緻密で繊細なこの作業を、高速で狂いなく行う「自動単結晶XRD装置」によって、今まさに次世代の蛍光体が生まれようとしている——。
LED照明や液晶バックライトなどに欠かせない存在となったNIMS発の「サイアロン蛍光体」。セラミックスの一種「サイアロン」に“光のもと”となるユーロピウム元素を添加することで、それまで青みがかっていた白色LEDをより自然な色味へと変え、多彩な光の表現を実現した。そして今日、8Kテレビの色再現域の拡大や高輝度レーザーの機能向上に向けて、より強い光エネルギーを放出できる蛍光体が待ち望まれている。 プレートリーダの写真
セラミックス粉末内の発光スペクトルを測定する「プレートリーダ」。「自動単結晶XRD装置」で解析する前に、ここで発光の有無を大まかに選別する。
ガラスキャピラリーの写真
直径約7cmのディスクに並んだ「ガラスキャピラリー」。この先端に単粒子を装着し、「自動単結晶XRD装置」の試料ホルダーにセットする。
そんな中、新たな蛍光体発見の確率を高める手法を編み出したのが、NIMSの武田研究員だ。それまで蛍光体の新物質は、セラミックス粉末内の大きな粒子でしか探索できなかったが、ひと粒単位(単粒子)でその構造や組成を解析する「単粒子診断法」を考案。装置の改良やデータ科学を取り入れることで、30以上の新蛍光体を見出してきた。
ただ、大きさわずか10ミクロン程度の単粒子の扱いは、人手では非常に難しい。特に測定時、単粒子を装着したガラスキャピラリー(写真上)を1本ずつ試料ステージに固定し、X線の照準を合わせる作業には、相当な時間と労力を要していた。これを解消すべく、武田が導入したのが「自動単結晶XRD装置」だ。 試料測定中の写真
単粒子を解析している様子。ロボットアームによって運ばれた単粒子は、磁石によって試料ステージに固定され、X線の照準を合わせる作業も自動で行われる。
この装置により、それらの手間が省けるうえ、測定結果をもとに新物質かどうかの診断まで自動でできるようになった。試料ホルダーには一度に48本ものキャピラリーをセットでき、1本の測定にかかる時間は約30分。手作業では到底及ばないスピード感だ。
この「自動単結晶XRD装置」のほか、画像認識で粒子の発光特性を測定する光学顕微鏡やEDSという元素組成を見極める装置なども取り揃える。
武田研究員の顔写真
「本手法を用いて高性能の新蛍光体を見つけ出し、実用化につなげたいと考えています」(武田隆史研究員)。
「これらの装置を駆使することで、作業効率は従来の10倍以上と、格段に向上しました。新蛍光体を見つけたら大量合成を検討する、見つからなかったらデータとして蓄積し次の解析に生かす、といったサイクルもスムーズになったと感じています」と武田。最強の装置群とともに、武田の新たな光を探す旅は続く。
もっと知りたい! 
自動単結晶XRD装置のウラのウラ
★NIMS NOW Vol.23 No.1:SMART LAB.号
P6-7匠を継ぐモノVol.1「ひと粒の蛍光体にまだ見ぬ煌きを求めて」
★次世代蛍光体グループHP
RISING STAR
材料研究の“期待の星”
平井孝昌研究員の写真
 
物質中の電子が持つ磁気「スピン」を利用して、熱エネルギーを制御できる新材料を開発したり、その原理を解明する研究をしています。というと、すごく難しく聞こえるんですけど(笑)、身の回りに溢れている材料の新しい機能を引き出す、ということを目標にしています。物理現象の解明を突き詰めたい気持ちもありますが、どちらかと言えば、身近なモノの新たな機能を見出して、世の中で実際に使ってもらえる材料を作りたいですね。NIMSが開発してきた永久磁石やHDDの磁気ヘッド、磁気メモリなどの磁性薄膜を使って熱輸送を制御することで…
\この続きは特設サイト「材料のチカラ」でお読みいただけます/
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※「U-35」では、博士の学位取得後8年未満の研究者を支援する「科学研究費助成事業(科研費)・若手研究」の応募資格者(おおよそ35歳以下)を対象に、NIMSで活躍する研究者やエンジニアおよび、その研究を支える事務職員をご紹介します。

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