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1.粒径とひずみ
2.付加的せん断ひずみ
3.ECAP法1
4.ECAP法2
5.50%圧縮後の断面上の組織
6.せん断ひずみ影響1
7.せん断ひずみ影響2
8.有限要素メッシュ
9.応力-ひずみ曲線
10.温度履歴結果
11.加工熱処理条件
12.1023K加工のひずみ分布
13.50%圧縮後の組織
14.72%圧縮後の組織
15.せん断付与加工の利点





 さて,薄板の圧延時に板表層部の粒径は板厚中央に比べて細かくなることが多くの研究者によって指摘されております。
なぜ?
 その理由として,板厚中央に導入されないせん断ひずみが表層部に生じ(これを付加的せん断ひずみと呼ぶらしい),これによって表層部に導入される相当ひずみが板中央より大きくなり,結果として表層部の粒径が細かくなると説明されてます。そして,実際にスリットを圧延前の鋼板に挿入しておくと,圧延後スリットは図のように傾いています(これがせん断ひずみらしい)。

しかしながら,圧延時のロールと鋼板の接触による抜熱や加工時の発熱によって,表層部の加工温度が中央のそれよりも低いことも考えられます。また,どれだけの付加的せん断ひずみが導入された結果,粒径がどれだけ細かくなったのかについては明らかにされていません。すなわち,定量的な検討がされていません。