Research
当チームは有機合成を基盤とした機能性材料の開発を行っております。
特に、下記の3つを研究の柱として研究を進めています。
有機と表面化学合成・プローブ顕微鏡計測との技術融合による効率的ナノ材料探索
高次アセンはベンゼン環が直線上に縮環した多環芳香族炭化水素です。シンプルな構造にも関わらず、優れた電荷輸送特性・磁性の発現といった興味深い特性を示します。また、次世代半導体に有用とされるグラフェンナノリボン(GNR)の合成原料・部分構造としてみなすこともできます。当チームは、高次アセンやその前駆体を合成し、それを表面化学合成に持ち込むことで、高次アセンの磁性解明、GNR合成に応用しています。また、表面における特異反応を積極的に利用した材料創出にも挑んでいます。このように、有機合成による精密な前駆体分子合成と表面化学合成・最先端のプローブ顕微鏡計測との技術融合により、先進的な機能を示す2次元有機ナノ材料の開発を目指しています。本研究は、所属するナノプローブグループ(GL:川井茂樹博士)内の共同研究として精力的に進めています。
有機合成を用いた機能性材料開発
高度なπ共役系を持つ有機分子は、効率的な電荷輸送特性を示す有機半導体として盛んに研究が行われております。当チームでは、アセン系化合物など剛直で広いπ平面を持つ有機分子・その多量体を設計・合成し、有機デバイス(特に有機単結晶トランジスタ)への応用を行っています。
2次元ナノ材料のボトムアップ合成と機能開拓
複雑にπ共役系部位が連結された2次元ナノ材料は、次世代デバイスにおいて重要な役割を果たします。高効率半導体・磁性材料やセンサー、広範囲の光捕集材料、電池・電極材料など、幅広い応用先が見込まれます。2次元ナノ材料の機能発現の根源はその構造であり、多様なナノ構造体の合成法確立はバラエティに富む機能発現に直結します。当チームでは、潜在的な構造多様性を持つ有機合成を軸としたボトムアップ的手法により、2次元ナノ材料の創出を行っています。