NIMS研究者による研究成果講演

講演111:10~11:25(15分)

「データ科学支援による物質・材料探索研究」
小口 多美夫
統合型材料開発・情報基盤部門 情報統合型物質・材料研究拠点
情報統合型探索研究分野 マテリアルズ探索グループ
グループリーダー
計算物質科学のシミュレーション手法を基に、機械学習、データ同化、スパースモデリング等の情報科学手法や物質・材料に関する記述子を組み合わせ、各種データベース等を活用して具体的な物質・材料科学の問題に適用する探索手法、及びツールの開発、整備、蓄積を進めている。第一原理計算とデータ科学手法の組み合わせにより物質の構造予測を実現する手法や、構造安定性や相境界・界面に対するマルチスケール手法の開発を狙う。

講演211:25~11:40(15分)

「Phase-Field法と計算熱力学連成による組織予測システムの開発」
構造材料研究拠点 計算構造材料設計グループ
グループリーダー
マテリアルズ・インテグレーション(MI)に必要とされる材料の組織予測システムの開発推進を目的として、状態図の新規実験データを参照した鉄鋼材料等の高精度熱力学データベースの開発、 APIを介した計算熱力学・拡散データのPhase-Field法への連成と組織形成シミュレーション、多元系鉄鋼材料等の凝固から固相変態までの組織予測システムの開発を狙う。

講演311:40~11:55(15分)

「スピントロニクスを用いた新しい熱利用技術」
磁性・スピントロニクス材料研究拠点 スピンエネルギーグループ
グループリーダー
スピン流(磁気の流れ)を利用した新しい電子技術・エネルギー変換の原理・技術が近年急速に発展する中、熱流によるスピン流生成現象「スピンゼーベック効果」に基づく熱電発電技術、スピンゼーベック効果の逆効果「スピンペルチェ効果」に基づく熱制御技術の実現に向けた基礎・応用研究の世界に先駆けた展開を狙う。

講演414:30~14:45(15分)

「連続発電1000時間超:劣化しないペロブスカイト太陽電池」
エネルギー・環境材料研究拠点 ナノ界面エネルギー変換グループ
主任研究員
ペロブスカイト太陽電池の特徴は、100℃程度の低温塗布プロセスで作製可能、さらにその変換効率は既に20%を超えるなど優れた性能を有する。ただし、肝心の耐久性には問題があり実用化に至っていない。本研究では、低温プロセスで成膜可能な新規材料や作製プロセスを開発し、この耐久性の問題のクリアを狙う。

講演514:45~15:00(15分)

「燃料電池及び水電解装置用2次元ナノシート材料」
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 ソフト化学グループ
MANA准主任研究者
層状水酸化物微結晶は水酸化物イオン伝導の無機固体電解質として注目されているが、イオン伝導率が10-3 S/cm程度にとどまり、実用化への大きなネックとなっている。本研究では2次元ナノシートを用いて新型イオン伝導膜及び貴金属フリー電極触媒を創製し、高性能の固体アルカリ燃料電池及び水電解装置の開発を狙う。

講演615:00~15:15(15分)

「選択的金属化による次世代配線の自己形成プロセス」
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
独立研究者
室温導電性を持つ金属インクを微細に塗布する「室温プリンテッドエレクトロニクス」と、微小領域のみに触媒機能を誘発して直接的に金属化を行う「選択的メタライゼーション」は、いずれの方法でもフレキシブル材料に直接配線・素子形成が可能である。これにより、次世代ウェアラブルデバイス製造の基盤技術化を狙う。

講演715:15~15:30(15分)

「元素の動きをX線動画で見る」
先端材料解析研究拠点
上席研究員
製造・開発ラインにおける高精度・高信頼性分析のニーズ、出荷前における全製品検査のニーズ、環境・リサイクル問題(有害金属)への対応を目的として、通常の元素分析機能に加えて元素イメージング、特に動画イメージング機能を付与したもの等、新しいX線分析機器および分析手法の開発を狙う。

講演816:30~16:45(15分)

「蛇腹変形可能なマグネシウム合金」
構造材料研究拠点 軽金属材料創製グループ
グループリーダー
次世代の軽量構造材料として注目されるマグネシウムだが、安全・信頼性確保のためには強くて急に壊れにくい素材創製が急務である。本研究では、加工熱処理による添加元素の粒界偏析を制御因子として注目し、結晶粒界制御と微量溶質元素添加による変形メカニズムおよび特性の改質に挑戦する。

講演916:45~17:00(15分)

「セラミックスの低温・高速加工技術」
機能性材料研究拠点 外場制御焼結グループ
主幹研究員
セラミックスの結晶粒微細化や添加物に依らずに低温且つ短時間で塑性加工を容易にする新たな技術を実現することを目的として、電場下で高温機械試験を実施するための装置構築、電場を利用した通常のファインセラミックスでの低温・高速塑性加工の可能性検証を狙う。

講演1017:00~17:15(15分)

「ボロン添加により溶接後のクリープ強度を飛躍的に高めた9Cr系耐熱鋼」
構造材料研究拠点 クリープ特性グループ
主任研究員
新たな合金設計指針による新規9Crフェライト系耐熱鋼の高性能化及び溶接後の早期破断(type IV破壊)問題の解決や、計算科学との連携による原子レベルでの性能評価、同データを用いた耐熱鋼の強度・組織予測を可能とする階層モデルの構築を狙う。