About
NanoCar Race
ナノカーレースはフランスのトゥルーズで⾏われる
世界で最も⼩さいレースです。
レースでは、ナノカーと呼ばれるナノサイズの分⼦が
スタートからゴールまで進みます。
ナノサイズの世界では、私たちが普段暮らしているような
世界とは異なる様々な現象が起きます。
そのため、レーサーはさまざまな困難に⽴ち向かいながら、ナノカーレースに挑みます。

ナノカーとは?
100〜1000個の原⼦でできた分⼦マシンで、⾃分の⼒で⾛るものを指します。⾞のように⾞輪で⾛るものもあれば、蝶々のように⽻ばたく⼒で前に進むものもあります。分⼦でできたナノカーは、0.0000002mm(2nm)と、実際の⾞の約20億分の1と、とんでもなく⼩さいサイズです。

どうやって操るの?
⾛る仕組みはナノカー分⼦によって異なります。ただ、機動⼒(エンジン)は同じで、電気の⼒です。
ナノカーレースでは、ナノカー分⼦を⾛らせるために、⾛査型トンネル顕微鏡(STM)という装置を使います。STMとは、学校の理科の実験で使うようなよくある顕微鏡(光学顕微鏡)のような実際に物を“⾒る”のではなく、レンズの代わりについている探針と呼ばれる針を観察する物にできるだけ近づけ全体をスキャンして、その形や性質を精密に記録する顕微鏡です。探針からは電気が流れ、この電気が観察物の表⾯の凸凹などに合わせて⼤きくなったり⼩さくなったりするのを観測することで物の形や性質がわかります。観察する物や環境によっては、探針から流れる電気の⼒を使って動かすこともできます。ナノカーレースでは、このSTMの電気の⼒を使ってナノカーを動かします。

どうしてレースするの?
電気の力や光などを使って分子を動かす「分子マシン」技術は1980年代以降、欧州の研究者3氏によって開発され、2016年にはノーベル化学賞を受賞し、一躍脚光を浴びるテーマとなりました。現在はまだ、回転したり持ち上げたりといった単純な動きのものが多いですが、分子を意のままに操ることができれば、様々な次世代技術の可能性を切り拓くことにつながります。例えば、病巣に薬を正確に運ぶ分子マシン、超小型コンピューターの実現、高い機能を持つ新素材の開発など、様々な分野への応用が期待されています。ナノカーレースは、複雑な分子マシンを作り操る技術を発展させる、国際競争の舞台なのです。

NanoCar
Race2
第2回ナノカーレースは、2022年3月に開催されます。MANAは2017年の第1回大会に続き、NIMS-MANAチームとして参戦します。今回、日本からはもう1チーム、奈良先端科学技術⼤学院⼤学(NAIST)チームが参加します。世界の分子マシン研究をリードする8チームが優勝を目指して、世界一小さな、熱いバトルを繰り広げます。
開催概要
- ⽇時
- 2022年3月24日(木)19時〜25日(金)19時 <日本時間・24時間耐久レース>
- 場所
- フランス・トゥールーズ CEMES/CNRS (The French National Centre for Scientific Research)
- ⼤会ルール
-
※2022年3⽉現在
- 世界全8チームのドライバーがCEMES(トゥールーズ)に集まり、世界各地にあるラボのSTMを遠隔操作しなくてはならない。
- STMの探針で直接ナノカーを押すことは禁⽌。
- レース中にナノカーマシンを交換することは可能。
- レースは低温・超⾼真空状態で⾏われる。
- ナノカーは、前後の区別がつくものに限られる。
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国⽴研究開発法⼈物質・材料研究機構(NIMS)
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)
〒305-0044 茨城県つくば市並⽊1-1