セシウムの存在位置をミリメートル以下の精度で可視化
-汚染廃棄物の大幅削減やセシウム拡散挙動の把握へ期待-
森 泰蔵 *1、赤松 允顕 *2、岡本 健 *3、隅田 真人 *3、館山 佳尚 *1、酒井 秀樹 *2、
Jonathan P. Hill *1、阿部 正彦 *2、有賀 克彦 *1
*1 MANA、NIMS;CREST, JST *2 東京理科大学理工学部 *3 MANA、NIMS
Jonathan P. Hill *1、阿部 正彦 *2、有賀 克彦 *1
*1 MANA、NIMS;CREST, JST *2 東京理科大学理工学部 *3 MANA、NIMS
MANAの超分子ユニット 森 泰蔵博士研究員とJonathan P. Hill MANA研究者らは、固体表面や生物中におけるセシウムの分布を蛍光により可視化できる蛍光プローブを開発した。
本研究では、超分子相互作用を利用しセシウムを内包した時のみ緑色の蛍光を発する蛍光プローブを開発した。蛍光プローブのアルコール溶液を噴霧し、紫外線を照射するだけで固体表面に分布するセシウムの位置を肉眼で確認できる。この蛍光プローブは既存の放射性物質を検出する方法よりも高い空間分解能を有し、ミリメートル以下の精度でセシウムの分布を可視化することができ、除染の効率化が期待される。また、生体や試料中のセシウムの分布も可視化でき、セシウムの拡散・蓄積過程の解明などに大きく貢献すると考えられる。

図1 セシウムを検出する蛍光プローブの分子構造と蛍光メカニズムおよび蛍光スペクトル

図2 土壌中やろ紙上、ひまわりの茎中のセシウムの分布を可視化