グループ概要
研究課題
Publications
関連学会情報
研究スタッフ

エコデバイスグループ

〒305-0044 つくば市並木1-1研究本館316号室

TEL:0298-51-3354 ext.2277

エコデバイスグループ ディレクター

須賀 唯知

有害物質フリー、低環境負荷、解体・リサイクル性、高資源生産性等の新しい機能を集積した低コスト・高機能の次世代デバイス・インテグレーション技術を開発することを目的に、従来のIT集積化技術の中に、インターコネクト・エコデザインやミクロ解体性設計などの「エコインテグレーション」の概念を明確化し、その実現のための新しい実装・パッケージング技術とその要素技術を確立します.



研究の新規性・独創性

現在のエレクトロニクスを中心とするIT化技術は集積化の一歩を辿っているが、一方で、そのライフサイクルは極めて短く、その廃棄・リサイクルの問題が焦眉の急となっている。また、製造拠点の中国への移転が急速に進み、サプライチェーンのグローバル化ともに、環境負荷の拡散も進行している。一方で、これら日本のIT製造業の基盤となっている実装・パッケージング技術であるが、半導体ビジネスの壁がはっきりし始めている現在、実装技術への期待は非常に大きく、しかし、一方で日本の従来の技術を生かしつつ、将来に向けた独自技術の開発と、さらに、上述の環境調和性を中心に据えた実装・パッケージング技術が必要とされている。

これを実現するのが、エコデバイス研究グループの目標であり、これが標榜するエコデバイス、エコインテグレーションはその発想自体が新しい概念であり、世界的にも極めて先進的な試みである。特に、インターコネクト・エコデザインは低環境負荷のインターコネクション手法を提案し、高機能インターコネクトは、これを可能とする先端的なインテグレーション技術を追及する。特に、常温接合は世界的も本研究グループが先導するオリジナル技術である。また、スマート・ディスアセンブリは、これらの集積化に対して逆の分離解体を材料レベルでアクティブに行う試みであり、本研究グループ、オリジナルの概念である。


世界での動向

実装・パッケージング技術については、我が国は民間主導で世界を先導する量産技術を有している。しかし、独立研究機関や大学等の研究体制は非常に遅れており、むしろ、欧米、韓国シンガポール、香港、台湾などが進行している。特に、ドイツにおいては、パッケージング研究と環境研究が同じ研究所体制のもとで大規模に行なわれており(ベルリン・フラウンホーファ研究所)、研究体制については、むしろ我が国は遅れをとっているといわざるを得ない。ただ、インターコネクション技術については、本研究グループは非常に先端的な常温接合研究において先導的立場にある。また分解・解体技術については、世界的に見ても新しい分野であり、ドイツでの産官学の連携による環境影響評価LCAと分解・解体技術の研究プロジェクトの発足が伝えられている。


波及効果

材料技術をベースにした実装・パッケージング技術は、IT技術の中核として産業界との直接の連携が可能である。また、分離・解体のためのエコデザイン、エコインテグレーションは今後の我が国の製造業のあり方、方向を定めていくうえで、重大な影響力を持ちうる強力な指針となろう。また早晩、生産者責任の原則からエコデザイン手法やこれを使ったプロダクトが大きな付加価値と見なされ、その際には、本研究の成果は、内外の産業界、市民社会へ直接還元されるものと期待できる。

東京大学先端科学技術センター微小製造科学分野
エコマテセンターホーム