モアレ法によるコンクリート構造物に生成する
ひび幅計測法の開発
NIMS研究者
岸本 哲
参画研究者
 
研究開発の目的

 鉄筋コンクリート表面に生成するひびの幅を計測するために、モアレ法を用いてモアレ縞のずれとモデルグリッドの間隔より簡便に求める手法を開発する。さらに、本技術を実際の構造物で補修や保護のために塗料を塗布した場合にも塗料の下のひび幅を計測できる技術を確立する。

研究開発の内容
(1)モアレ縞を用いたひび幅計測の原理


(2)モアレ縞観察法の確立

 モデルグリッドを作製した試料の画像(左図)にモデルグリッドと同間隔のマスターグリッドを重ねあわせ(中央図)円形コンクリート表面に生成するひびの幅を計測するためのモデルグリッドを貼り付け、マスターグリッドを数度傾け(右図)モアレ縞のずれとモデルグリッドの間隔よりひび幅を測定する。



(3)本手法を用いたひび幅計測例


(4)コックリート橋の床板のひび幅計測

地方公共団体の橋梁床板にはひび幅測定のためのグリッドを貼り、ひび幅の経時変化を計測している。 (H28年2月~)。
研究開発された技術・成果(まとめ)

・モアレ法を用いてモアレ縞のずれとモデルグリッドの間隔より鉄筋コンクリート表面に生成するひびの幅を計測するために、簡便に求める手法を開発した。

・本技術を実際の構造物で補修や保護のために塗料を塗布した場合にも塗料の下のひび幅を計測できることを確認した。

実用化イメージ

・土木研究所と共同で特許を出願し、大型のコンクリート構造物への適用技術を開発し、今後、PR活動等も行っていく予定である。

・既に、地方公共団体の橋梁床板にはひび幅測定のためのグリッドを貼り、ひび幅の経時変化を計測している。

・モアレ縞の画像を画像処理してコンクリート構造物のひび幅を簡便に計測するシステムを開発する。

未来への展望

・簡易モアレ縞観察システムの確立と技術のマニュアル化や普及を目指していく。