ナノ材料科学環境拠点(GREEN)

Global Research Center for Environment and Energy based on Nanomaterials Science

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)

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第4回(2014年度) GREEN拠点賞決定

 GREENでは、若手研究者奨励を目的にナノ材料科学環境拠点賞(GREEN拠点賞)を昨年度(平成23年度分対象)からはじめています。この度、第4回授賞者を平成26年度での研究活動を対象に決定し、第10回 ナノ材料科学環境拠点シンポジウム(6月25日)の機会に顕彰しました。

 慎重で厳正な選考の結果、先進賞はJie Xiao氏、川﨑 忠寛氏、白井 康裕氏に、オープンラボ賞は齋藤 守弘氏に、長期RA賞はYang Shuo氏に、そして短期RA賞は鈴木 啓志氏(各賞いずれもアルファベット順)にそれぞれ決定し、授与しました。

 また拠点マネージャーとして事業運営の定着と発展に大いに貢献した長井 寿氏の功績を高く評価し、謝意を込めて特別表彰しました。

先進賞の川﨑忠寛氏(右)と白井康裕氏(中央)

先進賞の川﨑忠寛氏(右)と白井康裕氏(中央)

特別表彰される長井寿氏(右)と魚崎拠点長(左)

特別表彰される長井寿氏(右)と魚崎拠点長(左)

特別表彰

長井 寿 氏

長井 寿 氏
(ナノ材料科学環境拠点 前拠点マネージャー)

受賞者は拠点マネージャーとして、事業運営の定着と発展に大いに貢献した。その功績を高く評価し、謝意を込めて特別表彰したい。

先進賞

Jie Xiao 氏

Jie Xiao 氏
(ナノ構造制御電極触媒G、NIMSポスドク研究員)

水晶振動子マイクロバランス法によるリチウム-空気電池正極反応の機構解明
Quartz crystal microbalance study on positive electrode reaction of Li-air battery

受賞者は、将来の高エネルギー電池として期待が高い、リチウムー空気電池の正極反応に水晶振動子マイクロバランスを適用し、反応機構の理解に重要な貢献をした。加えて溶媒の分解や電極の溶解など重要な知見を得ている。このように受賞者は、先進性に相応しい研究成果を挙げており、その先進性を称え、今後の一層の発展を期待して、授賞する。

川﨑 忠寛 氏

川﨑 忠寛 氏
(名古屋大学エコトピア科学研究所グリーンマテリアル部門 客員准教授)

触媒反応下における表面・界面の実時間TEM観察
Dynamic TEM observation of the catalysis using a gas environmental cell

受賞者は、新規触媒材料の設計指針を得るための計測技術として、ガス雰囲気中で触媒の挙動を実時間で観察できる環境セル電子顕微鏡技術の開発を行った。これを実際に金ナノ粒子のプロピレン選択酸化反応のその場観察などに適用するなど、ガス触媒の反応メカニズムの解明などに積極的に取り組んでいる。このように受賞者は、先進性に相応しい研究成果を挙げており、その先進性を称え、今後の一層の発展を期待して、授賞する。

白井 康裕 氏

白井 康裕 氏
(ペロブスカイト太陽電池特別推進T、GREENリーダー)

安定性と信頼性の高いペロブスカイト太陽電池作製法の開発
Development of fabrication method for highly stable and reliable perovskite solar cells

受賞者は、特別推進チーム結成以後短期間に、電気的に信頼性があり長期間安定性の高いペロブスカイト太陽電池セルを作製する方法を開発した。これは、受賞者が培ってきた有機材料の知識を応用したもので、全塗布型でプロセスとして汎用性があり、MRSでもポスター賞を受賞するなど対外的にも評価されている。電気的信頼性は、半導体としてのモデリングを可能にし、今後のセル開発に明確な戦略を立てることを可能にした。このように受賞者は、先進性に相応しい研究成果を挙げており、その先進性を称え、今後の一層の発展を期待して、授賞する。

オープンラボ賞

齋藤 守弘 氏

齋藤 守弘 氏
(東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授)

PGSE-NMRによるリチウム空気電池用電解液の自己拡散係数の測定
PGSE-NMR measurements of self-diffusion coefficients of electrolytes for lithium-air batteries

受賞者は、GREEN設置のNMR装置においてPGSEプロープの立ち上げを行い、リチウム空気電池用電解液の自己拡散係数Dの測定とイオン輸送挙動の解析を行った。その結果、グライム系電解液中のLi+イオン、アニオン、グライム溶媒について、それぞれ7Li、19F、1Hの核種を利用して、-20℃~60℃の温度範囲においてD値の測定が可能になった。また、実際にいくつかの系統的な測定を行い、グライム系電解液においてもLi+イオンは主にグライム分子に溶媒和され、そのままVehicle機構で輸送されることが確認された。このように受賞者は、オープンラボ事業に最も相応しい研究成果を挙げており、その努力と成果を称え、今後の一層の発展を期待して、授賞する。

東京農工大学 齋藤守弘研究室

長期RA賞

Yang Shuo 氏

Yang Shuo 氏
(北海道大学大学院、博士後期3年)

受賞者は、表面和周波発生分光法を電気化学反応に適用し、和周波光の強度が界面の電子遷移と可視光のエネルギーの共鳴により増強されることを利用した二重共鳴和周波発生分光法により電気化学界面の電子構造が決定できることを実証した。このように受賞者は、長期RA事業の精神に最も適うものとして、長期RAでの経験を糧とし、今後一層成長することを期待し、授賞する。

短期RA賞

鈴木 啓志 氏

鈴木 啓志 氏
(東京農工大学大学院、博士前期1年)

授賞者は、平成26年度においてオープンラボ研究者の研究に参加し、短期RA制度を最もよく活用した学生として際立った実績を残しており、その研究成果も良くまとまっている。27年度も引き続き参加することになっており、今後の活躍が期待される。このように授賞者は、短期RA事業の精神に最も適うものとして、短期RAでの経験を糧とし、今後一層成長することを期待し、授賞する。